70年代後半、それまでプログレッシヴ・ロックがあまり注目されていなかったアメリカでも、
自国好みのサウンドに消化され、ハードに進化させたプログレ・サウンドを演奏するバンド達が現れた。
これは思想や実験的要素などを重要視していたヨーロッパのプログレとは一線を画す、
どちらかというと、プログレ・サウンドの特徴を取り入れたハードロックであった。
これを日本ではヨーロッパのプログレと区別するためにプログレ・ハードと呼んだ。
しかし、この頃になると、ハードロック黄金期に活躍してきた大物バンド達が次々と姿を消し、
ついに、ロック界のみならず、すべてのギタリスト達に衝撃を与えた“ライトハンド奏法”の生みの親
エドワード・ヴァンヘイレンを最後にロック・ギタリスト花形時代も終焉を迎え、ハードロックは衰退の一途をたどる。
ちょうど同じ時期、パンク・ロック・ブームが勃発したのも、その追い風になった。
しかし、80年代半ば、パンクやニューウェイヴの攻勢が一段落すると、
再びハードロック黄金期の様式美を追究したヘヴィ・メタルが登場し、一大ブームを築くのであった。



■プログレ・ハードの名盤

キャプテン・ビヨンド/キャプテン・ビヨンド
CAPTAIN BEYOND/CAPTAIN BEYOND

1972年 POLYDOR



永遠の序曲/カンサス
LEFTOVERTURE/KANSAS

1976年 Kirshner/CBS/Sony



■アメリカン・プログレの名盤

エスケイプ/ジャーニー
ESCAPE/JOURNEY

1981年 CBS/Sony



ドント・ルック・バック(新惑星着陸)/ボストン
DON'T LOOK BACK/BOSTON

1978年 EPIC/エピック



パラダイス・シアター/スティクス
PARADISE THEATER/STYX

1980年 A&M/ポリドール



■プログレ・メタルの名盤

イメージ・アンド・ワーズ/ドリーム・シアター
IMAGE AND WORDS/DREAM THEATER

1992年 Atco/WEA/Atlantic



レジェンダリィ・テイルズ/ラプソディ
LEGENDARY TALES/RHAPSODY

1997年 Limb/ビクター