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★FIXX & HINEのドリームシアター対談 H:え〜〜、本日は中年でも聞けるロック講座ということで中年2人で対談を・・・って、嘘々(笑) H:ぐふふ、いきなりおじさん丸出しの話題かい・・・そんなこた〜聞いとらん(-_-; F:ぶわはは(^^)で、ドリームシアター(以下DT)の話ね。わしが彼らを知ったのは「BURRN!」での輸入盤レビューで。 F:うむ。(^^)さっきもいったけど、もうこれからはジャンルなんて、どうでもいいような気がするんすよ。 H:何様のつもりよ!・・・上手くまとめやがって!!(^_^; |
オリジナル・メンバー John Petrucci ジョン・ペトルーシ/ギター 追加メンバー James LaBrieジェイムス・ラブリエ/ヴォーカル(87年セカンド・アルバムより参加し、今やオリジナル・メンバーと同格の働きをしている) BIOGRAPHY 1985年 9月名門バークレー音楽スクールの生徒ペトルーシ、ミュング、ポートノイ、ドリームシアターの全身MAJESTY結成 |
When Dream And Day Unite One Way |
Live At The Marquee WEA |
Awake Atlantic |
A Change Of Seasons Elektra/Asylum |
ディスコ・グラフィー 1987年 Instru Mental *正式デビュー前のセッションからの音源 |
Falling Into Infinity Elektra/Asylum |
Once In A Livetime Eastwest |
Metropolis Part2.Scenes From A Memory Elektra/Asylum |
Six Degrees of Inner Turbulence Elektra/Asylum |
Image And Words Dream Theater |
1.プル・ミー・アンダー 2.アナザー・デイ 3.テイク・ザ・タイム 4.サラウンデッド 5.メトロポリス 6.アンダー・ア・グラス・ムーン 7.ウェイト・フォー・スリープ 8.ラーニング・トゥ・リヴ |
ヘヴィメタとプログレ。この2つは、それまで正反対ではないにしろ、まったくの別物として扱われ、それぞれの様式美を追求することこそ美しいとされてきた。言い換えれば、進化することは二の次であったわけだ。その昔、初期のカンサスがハードロックとプログレを融合させ、新たなプログレ・ハード・サウンドを確立したが、彼らもまた、祖先のハードロック・バンドやプログレ・バンド同様、しだいにポップ化の道をたどり、進化の道を閉ざしてしまったのである。それ以降、一部ラッシュなどが、この手のプログレ・ハード・サウンドを継承させ頑張ってはいたものの、90年代に入る頃には、すでに進化というレベルのものではなく、伝統芸といった毛色が強かったように思う。 ところが、このドリーム・シアターはどうだろう!?このアルバムで見事にヘヴィ・メタルとプログレの完全なる融合をやってのけ、カンサスやラッシュの築いたサウンドを一歩進めた、まったく新しいアプローチを披露していたのだ!!同年代の他の多くのバンド達が、過去にすがり、古いサウンドを引っ張り出してきては、それを寄せ集め、適当につないで安易に曲作りをしている中で、彼らはあえて「進化」という苦難の道を切り開こうとする本物のロッカー集団なのだ。好き嫌いは別として、こういった進化はロック界にとってとても歓迎すべきことで、彼らはロック界の宝といってもよいくらいだ。 前置きが長くなったが、このアルバムは彼らにとっては2枚目、前作から3年のインターバルをおいての復活アルバムでもある。この3年の空白が良い方向に作用し、曲の良さ、構成、演奏力、どれをとっても完璧。ハードな曲からバラード曲まで実に多彩で、しかも1曲の中でも、ドラマティックな展開にすることで、繊細さとパワフルさを併せ持つという曲芸的な演奏をみせつけている。 はっきり言って、個人的には最初、ジェイムス・ラブリエ(vo)のどうにもヘヴィメタ・チックなハイトーン・ヴォイスが好きになれなかった。しかし、だいぶ後になって、99年に発表された「メトロポリス・パートII〜シーンズ・フロム・ア・メモリー」のアルバムを聞いて、ラブリエの成長した唄いっぷりに驚かされた。肩の力が抜け、緩急を自在に使い分けるラブリエの歌声は、説得力が以前とはまるで違う。そこで改めてドリーム・シアターに興味を持ち、本アルバムに入っている曲「メトロポリス・パート1」を聴き直してみることにしたのだ。 すると、ラブリエのヴォーカルも、まだ若く張りつめた緊張感のようなものが伝わってはくるものの、さほどイヤな印象はなくなっていた。それより、改めてサウンド全体の素晴らしさに圧倒されたのだ。むろん、「メトロポリス・パートII〜」も甲乙をつけがたいほど素晴らしいアルバムなのだが、聞き込むうちに本アルバムの方が曲の良さという点で勝っているような気がしてきた。 特に今はもう脱退していないケヴィン・ムーア(key)の生み出す、せつないほどのメロディアス・フレーズは、全体のヘヴィで息詰まる緊張感を緩和させる清涼剤のような効果を果たしていたのではないだろうか。7は彼の作曲で、4も全員のクレジットにはなっているが、作詞は彼単独クレジットで、おそらく前半部分は彼が中心になって作られたものだろう。本当にすばらしい名曲だ。ケヴィンのその後の脱退は本当に惜しまれる。 ドリーム・シアターの演奏力は、今更言うまでもなく、現在もロック界最強だ。この卓越した演奏能力に素晴らしい曲の組み合わせ、悪いはずがない!ぜひともオールド・ロック・ファン達にも、妙な偏見を(ヘヴィメタ嫌いという)棄てて聞いてみてもらいたい。彼らこそテクニカル系プログレを現代に伝える正当継承者なのだから・・・。(HINE) |