ジャケットの名盤を手がけた著名アーティスト・ファイル

File No.21
MICHAEL WHELAN マイケル・ウィーラン

 1950年6月29日米カリフォルニア州カルバーシティー生まれ。幼少期は引っ越しが多く、5つの小学校と3つのジュニア・ハイスクール、4つのハイスクールを転々としたが、一番長く居たのはカリフォルニア海岸の近くであったらしい。また、彼の父親が航空宇宙産業の仕事をしていたため、幼いときからミサイルやロケットの発射を見て育ち、それが彼の作品にも後々影響を与えている。
 1973年、ハイスクールを卒業した彼は、カリフォルニアにあるSan Jose State University へ進学。しかし、翌74年にブック・カバーのイラストの仕事を手がけたことがきっかけとなり大学を辞めプロへ転向した。1975年には仕事の依頼が多いニューヨークの近くということで、コネチカットへ移住し、現在もそこを拠点に活動している。
 ウィーランは、サイエンスフィクションやファンタジー部門の世界的な芸術賞は、ほとんど受賞しているというほど、イラストレーターの世界では有名人だ。レコードのカヴァー・アートでは、80年代からメタル系のバンドを中心に手がけ始め、その後もそれほど多くはないが、コンスタントに質の高い作品を生み出している。


Frost & Fire/Cirith Ungol
1981年 Metal Blade

Rites of Passage Vol.1/Sacred Rite
2002年 Sentinel Steel
(Original 1984 「The Ritual」)

Cause of Death/Obituary
1990年 Roadrunner

Arise/Sepultura
1991年 Roadrunner

Epidemic of Violence/Demolition Hammer
1992年 Century Media

Bat out of Hell II: Back Into Hell/Meat Loaf
1993年 MCA

Ixlandia/Jonn Serrie
1995年 Miramar

Spys-Behind Enemy Lines/Spys
1996年 Renaissance

 ウィーランの代表的なカヴァー・アートは、米のメタル・バンドCirith Ungol(キリス・ウンゴル)や、ブラジルのスラッシュ・メタル・バンドSepultura(セパルトゥラ)の一連のアルバムだろうが、これらのバンド自体がかなりマニアックな層にだけ人気があるバンドなため、一般にはあまり知られていない。むしろ一般のロック・ファンに馴染みがあるのは、下段左から2番目にあるミート・ローフのアルバム「地獄のロック・ライダー II」のジャケットだろう。
 なんといってもウィーランの特徴は、アメリカン・コミックのようにデフォルメされたタッチと、メリハリのある色使いだろう。化け物を描いても、決して気持ち悪くはならずユーモラスでさえある。そして、イラスト全体から何となく感じる大らかさは、彼が幼少期をカリフォルニアで育ったという環境と無縁ではあるまい。