60年代末期のサイケデリック・ムーブメント以降、ロック・ミュージシャン達は競って大きな音で演奏を始めるようになった。
特に3人の凄テク・プレイヤーが個性をぶつけ合い、大音量で火花を散らすようなライブ演奏を繰り広げた、
クリームやジミ・ヘンドリックス&エクスペリアンスの人気によって、それはますますエスカレートすることとなった。
この後を受けて、レッド・ツェッペリンが登場し、ハード・ロックの様式美を確立すると、
続々と他のイギリスのバンド達がそのスタイルを取り入れ、世界中でブリティッシュ・ハード旋風を巻き起こした。
特にカントリーやスワンプ・ミュージック(アメリカ土着の民族音楽)を取り入れたツェッペリンは、全米で絶大な人気を獲得、
クラシックや中世音楽を取り入れたディープ・パープルはヨーロッパや日本を中心に熱狂的に支持され、70年代半ば頃まで全盛を極めた。
一方アメリカでは、このブームの中、対抗できるバンドは大音量で有名だったグランドファンクぐらいしかおらず、
70年代半ばになってやっと、エアロスミスとキッスという個性的なバンドの出現で自国のロック・ミュージシャン達も活気づくのであった。
この後のアメリカン・ハードの攻勢はすさまじく、売れすぎて「産業ロック」とまで皮肉られるジャーニーやTOTOなどを生むに至った。



■ブリティッシュ・ハードの名盤

フィジカル・グラフィティ/レッド・ツェッペリン
PHYSICAL GRAFFITI/LED ZEPPERIN

1975年 Swansong/Atlantic



紫の炎/ディープ・パープル
BURN/DEEP PURPLE

1974年 Warner/Wea


ノーヘヴィー・ペッティング/UFO
NO HEAVY PETTING/UFO

1976年 Chrysalis/東芝EMI


バレットプルーフ/ハードスタッフ
BULLETPROOF/HARD STUFF

1972年 Purple/EMI


ビハインド・クローズド・ドアーズ/サンダー
BEHIND CLOSED DOORS/THUNDER

1995年 EMI/東芝EMI


アメリカン・ハードの名盤

地獄の狂獣(キッス・ライブ)/キッス
KISS ALIVE!/KISS

1975年 Mercury


グランド・ファンク・ツアー'75/グランド・ファンク
CAUGHT IN THE ACT/GRAND FUNK

1975年 Capitol/東芝EMI



多国籍&英米以外のハード・ロック名盤

ベック・ボガート&アピス・ライブ・イン・ジャパン1973/BB&A
BECK,BOGERT & APPICE LIVE/BB&A

1973年 Epic/Sony



イン・トランス/スコーピオンズ
IN TRANCE/SCORPIONS

1975年 RCA/BMG



ハード・ブギーの名盤

オン・ザ・レベル/ステイタス・クォー
ON THE LEVEL/STATUS QUO


1975年 Vertigo/Captol/Phonogram