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最初に聞いて「うわっ、カッコイイ!」と思ったのは「ソウルズ」というシングルだった。以前からリック・スプリングフィールドの名前はなんとなく聞いてはいたが、ブルース・スプリングスティーンと紛らわしい名前だと思っていたぐらいで、まさかこんなにカッコイイとは正直驚いた。 お茶の間のアイドルから世界のスーパースターへ 1949年8月23日オーストラリアのシドニーで生まれたリックは、13歳でギターを弾き始め16歳でThe Jordy Boysというバンドへギタリストとして加入。その後いくつかのグループを転々とした後、1968年にZootに加入し、やっと腰を落ち着けた。その時のZootのメンバーは、リックの他、Beeb Birtlesビーブ・バートルズ(vo,b)、Darryl Cottonダリル・コットン(kb)、Roger Brewerロジャー・ブリューワー(ds)というラインナップだった。 ハードさを失わずにデジタル化されたサウンド 翌82年にはグラミー賞も受賞したリックは、つづいてアルバム「アメリカン・ガール」をリリース。ここからも「ドント・トーク・トゥ・ストレンジャー」が全米2位に輝き、それまでの低迷期が嘘のようにノリまくってきた。尚、このアルバムと前作「ジェシーズ・ガール」のジャケットに使われているブルテリアという犬は、彼の愛犬らしい。
通常ならポップで軽快なサウンドに仕上げそうなところを、あえてギターを前面に出したままデジタル・サウンドを取り入れたところが、リックの新境地であり、他のアーチスト達と違う彼のオリジナリティだった。このアルバムからも「セレブレイト・ユース」と「ステイト・オブ・ザ・ハート」が大ヒットし、特に後者はリックの大きな成長のあとが伺える名曲バラードだった。余談だが、このアルバムの参加ミュージシャンにはニッキー・ホプキンス(元ジェフ・ベック・グループ、クイックシルバー・メッセンジャ・サービス/key)の名前もある。 この後86年来日公演も行うが、結婚、長男誕生などがあり、しばらく芸能界から遠ざかった。 そして、88年に満を持して、ロックという音楽、人生、生き方について見つめ直した力作アルバム「ロック・オブ・ライフ」をリリース。しかし、同名タイトルのシングルがスマッシュ・ヒットしただけで、アルバム自体はパッタリ売れなくなってしまった。 さらに悪いことには、この直後バイクで交通事故を起こし大けがを負ってしまい、またもや休養を余儀なくされることとなってしまった。 全てにすっかり疲れ切ってしまったのか!?この後リックは90年代の半ば頃までミュージシャンとしての活動は完全に休止し、たまに俳優としてTVに出る程度の状態がつづいていた。 ところが、95年に突然の来日。97年ヨーロッパでTim Pierce、Bob Marletteとバンドを組み、アルバム1枚だけのプロジェクトという形で「Sahara Snow」を発表(残念ながら、このアルバムは日本未発売)。そして98年今度はソロ・アルバム・リリースという形で、また復活を遂げた。 その復活アルバム「カーマ」では、往年のサウンドそのままのキレのあるロック・サウンドを聞かせ、当時の音が、今聞いても少しも色あせていないないことを改めて教えてくれた。尚、このアルバムは日本先行発売で、アメリカでは99年にリリースされている。 2001年ヒット曲ばかりをライブ演奏した「Alive:The Greatest Hits」リリースされたが、これもかなりいい!余談になるが、このアルバムのジャケット(左上写真)にはギターに何かをぶつけているリックの写真が写っているが、これが花束だとは、後でライヴに行ってから知ったものだ。いつもライヴではやっているらしく、会場ではたくさんのファンがコレをやって欲しくて花束をいっぱい抱えていた。 ここまでは、復活はしたものの、懐古的な活動が多く、昔のベテラン・ミュージシャンがそのまま戻ってきただけという感じだった。リックにとっては、それはただのリハビリに過ぎないことが次のアルバムで明らかになる。2004年、6年ぶりに発表したスタジオ・ニュー・アルバム「Shock/Denial/Anger/Acceptance」では、いきなり当時流行っていたヘヴィ&ダークなラウド・ロックにチャレンジ。これがまたかっこいいのだ!関係ない話だが、ますます男っぶりにも磨きがかかり、つくづく「いい男は、歳をとってもいい男なんだな」と感心もした。 翌2005年、またニュー・アルバムが発表されると聞き、いくらノって来たからって早すぎるのでは?と思っていたら、これは全曲カヴァー集のアルバムだった。そしてこの年、なんと12年ぶりの来日も果たし大いに日本のファンを沸かせた。 まだまだリックはこれからもロック・ファンをドキドキ、ワクワクさせてくれそうだ。(HINE)2005.5更新 リック・スプリングイールド2005年来日公演ライヴ・レポート ■Rick Springfield Live In Rockford DVD Promo Clip (YouTubeより) |
![]() Zoot Locker Columbia |
![]() Biginnings capitol/東芝EMI |
![]() Comic Book Heroes capitol/CBS Columbia |
![]() Mission Magic Wizard/wea |
![]() Wait For Night Chelsea/RVC/RCA |
![]() Beautiful Feelings Mercury/Polygram |
![]() Working Class Dog RCA/BMGビクター |
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ディスコ・グラフィー <ZOOT> <SOLO> |
![]() Success Hasn't Spoiled Me Yet RCA/BMGビクター |
![]() Living in OZ RCA/BMGビクター |
![]() Hard to Hold RCA/BMGビクター |
![]() Rock of Life RCA/BMGビクター |
![]() Sahara Snow MTM Music |
![]() Karma Victor Entertainment |
![]() Shock/Denial/Anger /Acceptance Gomer |
| 1.ダンス・ジス・ワールド・アウェイ Dance This World Away
2.セレブレイト・ユース Celebrate Youth 3.ステイト・オブ・ザ・ハート State of the Heart 4.リトン・イン・ロック Written in Rock 5.パワー・オブ・ラヴ(TAO・オブ・ラヴ) Power of Love (The Tao of Love) 6.ウォーキング・オン・ジ・エッジ Walking on the Edge 7.ウォーク・ライク・ア・マン Walk Like a Man 8.TAO・オブ・ヘヴン Tao of Heaven 9.ストレンジャー・イン・ザ・ハウス Stranger in the House 10.マイ・ファザーズ・チェア My Father's Chair |
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| オーバープロデュースと言われようが何と言われようが、カッコイイものはカッコイイのだからしょうがない!逆にここまで徹底的にコンピューターによるエフェクトをギンギンに駆使していると気持ちがいい。しかも、そのできあがった音は、エレクトロニカでもテクノでもない。正真正銘のハード・ロックなのだ。サウンドの方もレゲエ調ありバラードあり、ダンサブルなナンバーありだが、どの曲からも、みなぎるロック魂が感じられる。それはリックの魂そのものなのではないか。最新テクノロジーを駆使しようが、どんなサウンドを取り入れようが、リックの確固たるロック精神は揺らぐことない。それがリックの「道」なのだろうか。 80年代のポップ&ロックというと、少なからず本作のようにコンピューター機材が持ち込まれ、それが今聞くと古くさくも感じられるものだが、このリックのアルバムに限っては、今聞いても古くささはいささかも感じない。何故なのかとじっくり考えてみたが、それはリズムが重く、曲の骨格はあくまでアナログ的だからだという結論に達した。平たく言えば、コンピューターを目一杯駆使していながらも、コンピューターに頼った曲作りをしていないということだ。おそらくは全曲エフェクトを除いて聞いてみても、その素晴らしさは変わらないだろう。例えアンプラグドで聞かせたとしても結果は同じこと。それだけ曲メロと全体構成がいいということだ。 初めてこのアルバムを聞く方は、まず1曲目のイントロからエレクトロニクスがギンギンに駆使されていることに気づくだろう。爆発の前兆のような音につづき、ハードなギターが唸りをあげるように侵入する。そして、脳天を直撃するズドンという重たいドラムの音と共にリック得意のハードエッジでシャープなギター・カッティング・・・期待は最高潮に達する。そしてヴォーカルは女性とのソウルフルな掛け合い。メチャメチャかっこいい!あらゆるエフェクトが施され、曲が進むにつれ次にどんな仕掛けがあるのかとワクワクする。最後はリックの声がディレイでこだまする。しかしそのままメドレーのように間髪を置かず次の大ヒット曲「セレブレイト・ユース」(全米26位)へと繋がってゆく。前の曲での重いリズムとハードなギター、めまぐるしいエフェクトはキープしつつ、なんとリズムにレゲエを取り入れる大胆な手法は度肝を抜かされる。レゲエ調の曲をこんなにハード&ヘヴィにしてしまうなど前代未聞。もう気絶しそうなぐらいカッコイイ! そして3曲目はうってかわってミドル・テンポの名バラード「ステイト・オブ・ザ・ハート」(全米22位)。ここでもまたテープの逆回しのような効果をイントロとサビのヴォーカル部分に効果的に加えているのが印象的だ。本当にいい曲で、個人的にもリックの全楽曲の中でも1,2を争うほどの名曲だ。 4曲目は再びヘヴィなサウンドに戻る。ここから先はすべてリック単独によるソング・ライティングの曲が並ぶ。ちなみに、1はリックとギタリストのティム・ピアースとの共作、3はエリック・マカスカーという人の曲をリックとティム・ピアースでアレンジしたもの、「セレブレイト・ユース」を含む他の曲はすべてリックが単独でかいたものだ。 5はこのアルバムのタイトルであるTAOについて歌った曲でもある。バラードだが力強く説得するように歌うリックのヴォーカルがすばらしい。 6はマイケル・ジャクソンの「スリラー」のイントロに似たナレーションが入り、ここから一挙に9曲目までメドレーで聞かせる。途中スロー・ナンバーの「TAO・オブ・ヘヴン」もアクセントで入るものの、まったく息もつかせぬほどのスリリングなサウンドで、あっという間にラストの曲まできてしまう。 ラストの「マイ・フェザーズ・チェア」はタイトル通りリックの父親のことを歌ったスローバラードで、「3年の月日が過ぎても僕はまだ父が帰ってくるような気がする。人は時が過ぎれば何でもなくなるというけれど、本当に時は苦しみをいやしてくれるのだろうか?」とホロリとさせられる内容。ピアノとシンセサイザーだけのシンプルな曲だが、ここでエレピの名演を聞かせてくれるのは、おそらくあのニッキー・ホプキンスだろう。曲ごとのクレジットがないので断言はできないが、ニッキーはアルバム全体に参加している。 全体を通して、「ロック」がビンビン伝わる本作は、まさにロック道(TAO)を極めたリックが放ったトータル・コンセプト・アルバムとも言えそうだ。80年代らしさを持ったロック・アルバムの最高峰としても、個人的に本作を皆さんに伝えたい。(HINE) |
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