Rock Princess

RIDE THE LIGHTNING
(邦題:ライド・ザ・ライトニング)



(1984年発表) (全英チャート:87位)(全米チャート:100位)
(SONY:25DP-5340)



1,Fight Fire With Fire
2,Ride The Lightning
3,For Whom The Bell Tolls
4,Fade To Black
5,Trapped Under Ice
6,Escape
7,Creeping Death
8,The Call Of Ktulu



 いわゆる「この音でも、メジャーで勝負出来る」と後続達に自信と、メジャー・レーベルが次々とアグレッシブなバンドとの契約をもたらしめることになった、歴史的な2ndアルバム。
 ラーズがアメリカから離れてレコーディングしたかったこともあり、バンドはデンマークのスウィート・サイレンス・スタジオで、スタジオオーナーでもあるフレミング・ラスムッセンと共同でレコーディングを開始した。(クレジットではバンド名義)
 フレミングは1983年のRAINBOWの「BENT OUT OF SHAPE」でエンジニアとして働いており、ラーズがその手腕を評価して決めた。初期メタリカの音(ザクザクリズム=いわゆるスラッシュ)を決定付けたことから、その後フレミングの元に仕事の依頼が殺到することになる。
 一応、このアルバムには「死」というコンセプトが設定されている。ジャケにもある電気椅子による死刑や(1)、戦争による死(3)等、彼らなりの主張が歌われている。

 (3)はヘミングウェイの同名小説(邦題:誰が為に鐘は鳴る)よりヒントを得ている。LIVEでも重要なレパートリーだ。

 (4)はジェイムスが初めてといっていいぐらい「歌」を聴かせてくれる名曲だ。

 (6)は、メタリカにしては随分ポップな印象を受ける曲。それもそのハズ、ラジオでのエアプレイを少しだけ意識したものだ。しかし、結果として「メタリカ史上最大の駄作」というw、称号をファンから受けるのである。この曲に関しては話題にしない、がメタリカファンとしての暗黙の了解になっている。

 (7)はしばらくLIVEでのオープニングを勤めることになるナンバー。非常にスピーディーかつザクザク感で疾走する初期の代表作でもある。LIVEでは「DIE!DIE!」のかけ声で盛り上がる曲だ。

 (8)はタイトル通り、アメリカの幻想小説家、H.P.ラヴクラフトを題材にしたインストナンバー。まるでオーケストラのような大仰な構成を持つ曲は、彼らがタダのHMバンドではないことを世間に知らしめることになる。事実、私もこの曲からバンドのファンとして熱い注目を注ぐことになるのだが。しかし、これだけの素材ながら、インストであるのがもったいない気がするのだが、実は歌詞は当初、作られる予定だった。ところが、ジェイムスはラヴクラフトの小説を読んだことがないらしく(w)何をかけばいいかわからなかった為らしい。

 しかし、このアルバムでの充分なプロモーションを実行することが出来ず、バンドとジョニー・Zの関係が悪化。結局、彼らはNYの大手マネジメント「Qプライム」(デフ・レパードやカメオが所属していた)と契約。リリースもメジャーのエレクトラに決まるのである。
(FIXX)



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