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1945年、スペインのテルエルという小さな町で出生したルイスは、その後すぐに家族と共にサラゴーサへ移住する。そこで美術学校へ入学した彼は、当初工事図面などを描いていたが、それには飽きたらず、工業デザインや応用美術も勉強し、25歳前後から装飾やインテリアの仕事を始めた。 ところがその後、エンキ・ビラルEnki Bilal(ユーゴ出身フランスの漫画家)やメビウスMoebius(フランスの漫画家)などの大人向けコミックに触発されたルイスは、1978年からは自らもコミックを手がけ始め、翌79年には他の仕事も辞め完全にコミック作家として活動するようになる。 その後80年代には彼が描いたコミックが次々と出版され、国内だけでなくアメリカやヨーロッパ全土にまで、その名が知られるようになった。 現在ではイラストレーターとして、ブック・カバー、カレンダー、ポスター、Tシャツ、タロット・カードやトランプ、コンピューター・ゲームのアニメキャラ、CDのカヴァー・アートなど多方面に渡って活躍している。 CDカヴァー・アートは、90代末ごろから本格的に手がけ始め、特にヨーロッパのヘヴィ・メタル系バンドのものを中心に、近年その数もますます増えている。 |
As The Angels Reach The Beauty/Graveworm 1999年 Serenades |
Spellbound/Ten 1999年 Now & Then |
Black Arts/Elvira Madigan 2000年 Black Lodge |
Evillot/Power Symphony 2001年 Pavement/Northwind |
Only Human/At Vance 2002年 The End |
Los Poetas Han Muerto/Avalanch 2003年 Helre |
Fairlytales/Skylark 2005年 Tokuma Japan Comm. |
Back From The Heat/Arthemis 2005年 アヴァロン |
上のカヴァー・アートを見ていただけば分かる通り、彼の作品には必ずといってよいほど官能的な女性の姿が描かれる。それが魅力で、CDの中身は気にもせずジャケットだけでCDを買ってしまうロヨ・ファンもけっこう多い。また、CDカヴァー用に描いたもの以外でもアーティスト側が気に入ってジャケットに使うことも多いようだ。上段左から2番目のTENのアルバムなどは、スペインのパワー・メタル・バンド「Eternal Night」の「Heavens' Kingdom Will Be Yours」というアルバムとまったく同じイラストを使用している。 有名なのはスカイラークの一連のアルバム・ジャケットで、中身の評価はどんどん落ちているのに、ジャケットの人気だけは逆にどんどん高まっている。 ロヨの特徴は、なんといっても彼が描くエロティックな女性の美しさにあるが、例えそれがセクシーなボディをさらけ出しているようなものでなくても、顔の表情だけでエロティックな雰囲気が充分伝わってくる。下段左から2番目のAvalanchのイラストは、本来下半身まで描かれているのだが、このように上半身だけを切り取っても、まだまだ妖艶だ(ちなみに2005年にワールド盤も再度リリースしているが、この時は下半身まで入ったイラストを使用している)。また、プロダクツ・デザインをやっていたせいか、どの絵にも立体感と奥行きがあり、緻密な描写も得意としている。 |