ア〜オ

アウトテイク OUT TAKE

レコーディングされながらアルバムには収められなかった曲。未発表曲や未発表ヴァージョン。近年の再発売もののCDには、必ずと言ってもいいほどボーナス・トラックとしてアウト・テイクが収められている。(HINE)



アコースティック ACOUSTIC

本来は「聴覚の」「音響学の」という意味だが、「アコースティック・ギター」や「アコースティック・サウンド」というような使われ方の場合は、エレクトリックとは対照の生楽器という意味。(HINE)



アドリブ AD-LIB

曲中のソロ・パートなどで自由に即興演奏すること。ラテン語のad Libitumが語源とされ、本来は「自由に」「随意に」という意味がある。また、同義語にインプロヴィゼーションという言葉が用いられることもある。(HINE)



アルペジオ ARPEGGIO

分散和音およびその奏法。要はギターで言えば、あるコードを押さえつつ、通常のように一気に上から下へジャ〜ンとかき鳴らさず、一音づつバラバラに弾くこと。一音づつと言っても、たいがいの場合は、コードが変わってもある一定の順番で弦を弾いていく。(HINE)



インナー・スリーブ INNER SLEEVE

LPのジャケット内に収納された解説文や歌詞などが印刷された紙。ブックレット形式のものもあるが、その場合は表紙と裏表紙を除いた中身を指す。CD時代になってからは、あまりこだわりをもったインナー・スリーブは見かけなくなったが、LP時代にはジャケットのカヴァー・アーチストがアルバム全体のイメージを統一するため、インナー・スリーブまで凝ったデザインにすることも少なくなかった。(HINE)



ウーマン・トーン WOMAN'S TONE

ギターの音色のことで、フロント・ピックアップをトーンOにし、甘く歪んだ音色を作り出す。すると女性が静かに泣くようなソフトな音になるため、こういった名前で呼ばれるようになったと言われる。その後ギター・アタッチメントのフット・ペダルであるワウワウの普及で、ギター側で操作しなくても同じ音色が作り出せるようになっている。これを広めたのは、クリーム時代のエリック・クラプトン。(HINE)



エア・チェック AIR CHECK

電波によってオン・エア(放送)された音や映像を録音機によって録音または録画すること。70年代、カセット・テープとFMラジオの普及によりFMで流された音楽番組などを録音することが一般的になると、「FMレコパル」「FMファン」などのエア・チェック専用雑誌も登場し、いっそうエア・チェックが盛んに行われるようになった。こういったFMからの録音を楽しむことを、FMエア・チェックとも言う(HINE)



エフェクター EFFECTS(EFFECTOR)

電気信号化した音を加工し、原音と違う音に変化させる音変換器。有名なものには、コーラス、ディレイ、フランジャー、ワウワウ、イコライザー、エキスパンダー、オクターバー、ハーモナイザー、リバーブ、リミッター、ノイズ・ゲート、ディストーション、オーバードライヴ、ファズなどがある。また機器の形状も様々で、フット・ペダル式、ラック式、ビニール・パイプから音を出し、それを口でくわえ口内で音を変化させるトーキング・モジュレーターのようなものまである。同じような意味で使われる言葉にアタッチメント、イクイップメントなどがある(HINE)



エミュレーター EMULATOR

あるハードウェアやソフトウェア内で異なる別のハードウェア、ソフトウェアを動作させることをエミュレーションと言い、エミュレーションを行うためのハードまたはソフトをエミュレーターと言う。例えばMaC OS上でWINDOWSを動作させるソフト、「Soft Windows」のようなソフトなど。(HINE)



オープン・チューニング OPEN TUNING

ギターを通常のチューニングではなく、あるキーに合わせ、開放のまま、あるコードが鳴るようにするチューニングにすること。アメリカのボトルネックを使うブルース系プレイヤーがよくこれをやっていて、コードのままスライドできるので、とても便利である。これに対し、通常のチューニングをスタンダード・チューニングと呼んでいる。(HINE)



カ〜コ

キー KEY

「調」のこと。トニック(主音)、ドミナント(属音)、サブドミナント(下属音)および、これらの上に構成される和音の組織に、実際の音を当てはめてできるのがキーである。キーには、メジャー・キー(長調)とマイナー・キー(短調)があり、前者は明るく楽しい印象を与え、後者は暗く寂しい印象を与えるという特徴がある。(HINE)



ギブソン GIBSON

1902年にクラシックギター、マンドリン、ヴァイオリンなど弦楽器の製作・販売会社として創業。41年にレスポール氏がピックアップ付きギターを完成させたのを受け、レスポール氏と契約し、52年名器レスポール・モデルを発表した。その後のギブソン社のエレクトリック・ギターは、あくなき音質の追求と工芸品的ボディの作りで、多くのミュージシャン達を魅了しつづけている。他にSGモデル、エクスプローラー・モデル、フライングV・モデルなどもある。(HINE)



コルグ KORG

1963年京王技術研研究所として創業。早期より国産シンセサイザーの開発に着手し、1968年には国産初のシンセサイザー開発に成功している。その後も着々と電子楽器製品を発表。
70〜72年にはリズムマシンMP5,MP7,MPジュニアを相次いで発表、73年ミニコルグ、74年国産初のデュアル・ボイス・シンセサイザー800DV、77年国産初ポリフォニック・シンセサイザーPS-3000、81年世界中でベストセラーとなったPolysix、86年デジタル・サンプリング・シンセサイザーDSS-1など、特にシンセサイザーの分野では他のメーカーの追随を許さないほどの技術力を持っている。(HINE)



コンピレーション COMPILATION

レコードやCDの編集アルバムのことでオムニバスも同義語。ベスト盤などのヒット曲集はもちろんのこと、テーマ別に編集された様々なタイプのものがある。(HINE)



サ〜ソ

サイド・ギター SIDE GUITAR

ギター・ソロなどを弾くリード・ギターに対し、バッキングに回り、主にコードなどを専門にリズム・パートを弾く役割のギター、もしくはギタリストを指す。別名リズム・ギターともいう。(HINE)


サン・バースト SUNBURST

主にギター類などの楽器に施す塗装で、周囲を濃くし、中央へ行くにしたがって薄くなる「ぼかし」のこと。1950年代フェンダー社やギブソン社が良質の木材を使用している証として中央部の木目が見えるように、塗装を薄くしたのが始まりと言われている。(HINE)



シーケンサー SEQUENCER

シンセサイザー用の周辺機器として開発された自動演奏装置。ようするに演奏した時の音を記録するのではなく、キー操作自体をすべて記憶させる。シーケンサーを使用することによって、あとで音質を変更したり、失敗した部分を修正したりできる。また、ライヴなどでも同時に何台ものシンセサイザーを操作することが可能になった。(HINE)


シンコペーション SYNCOPATION

通常1小節の中で4/4拍子の場合、1拍目と3拍目にアクセントをおき強めるが、これを逆転させ、弱拍部を強調したリズムの取り方をこう呼ぶ。もともとはジャズやラテン・ミュージックがよく活用していたものだが、今ではロックに使われることも珍しくない。(HINE)



スイッチング・トレモロ奏法 SWITCHING TREMOLO

エレクトリック・ギター奏法の一種で、フロントかリアのピックアップのうち、一方のボリュームを0にしておき、ピック・アップ・セレクターを素早く切り替えることによりトレモロ効果を得る奏法。古くはジェフ・ベックがよくやっていたが、その後エース・フレーリーなどハードロック系のギタリストが好んでライヴでよくやっている。(HINE)



スクラッチ SCRATCH

レコード・プレイヤー上のレコードを、手で前後に空回りさせ、ディスコ・ミキサーのクロスフェーダーを同時に操作することによって得られるサウンド効果。ヒップ・ホップでは日常的に使われる手法。(HINE)


スクラッチ奏法 SCRATCHING

ピックあるいは指などで低音弦(ラウンド弦)をひっかき、ノイジーなサウンドを作り出すギター奏法。ジェフ・ベックが古くからやっていた業で、リッチー・ブラックモアによって、多くのハードロック・ギタリストの間へと広められた。(HINE)


ストリングス STRINGS

バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスなど弦楽器の総称。また弦楽重奏もこう呼ぶ。(HINE)



タ〜ト

ダイレクト・カッティング DIRECT CUTTING

アナロク・レコードの製造工程で、一般的には演奏された音楽をテープに録音して編集→レコード原盤へプレスするところを、テープに録音するのを省略して、そのままダイレクトに演奏した物をレコード原盤へプレスしてしまう方式。これによりテープを使用することによるノイズや回転ムラなどを防ぐことができる。しかし、一発録りが要求されるので、かなりの演奏テクニックがないと無理である。(HINE)


タッピング奏法 TAPPING PLAYING

ギターやベースなどの弦楽器で、両手を使って弦を叩き(タッピング)ながらピッキングせずに音を出す奏法。ライトハンド奏法がピッキングする方の指でタッピングしながらピッキングしているのに対し、タッピング奏法はまったくピッキングなしにハマリング・オン(押さえる時に音を出す)とプリング・オフ(弦から指を離しながら音を出す)だけで音を出すというライトハンド奏法を一歩進めたテクニック。この奏法もエドワード・ヴァンヘイレンによって確立された。現在ではライトハンド奏法もタッピング奏法の一種であることや、左利きのギタリストはライトハンド奏法と言うのか?という問題もあり、これらのテクを総称してタッピング奏法と呼んでいる。(HINE)


ダブ DUB

レゲエが生みだした独特の音処理方法で、リヴァーブ(風呂の中のような共鳴音)やエコー、ディレイ(機械的に音を遅らせてエコー効果を出す)などのエフェクターを使用して、奥行きの深い特殊な音空間を創り出すもの。ロックとレゲエの中間をいくアスワドなどのグループによって広まり、80年代にはニュー・ウェイヴ系のミュージシャン達も好んでよくこの手法を取り入れた。(HINE)


チョーキング BENDING

ギター奏法の一種で、ピッキング(弦をはじく)の後、押さえている方の指で弦を持ち上げるか下へ引っ張り、無段階に音程を変えるテクニック。その音程の変化程度によって、半音チョーキング、1音半チョーキングなどと区別される。またチョーキングの後に微妙に指をアップ・ダウンさせることによって得られるビブラートをチョーキング・ビブラートと言う。尚、チョーキングという呼び方は、日本ではすでに一般化しているが、正式にはベンディングというらしい。(HINE)


チョッパー奏法 SLAPPING

エレクトリック・ベースの奏法で、ピックを使わず親指で弦を叩きつけたり引っ張って離したりして音を出す。主にファンキー系のベーシストの間から広まった。一般的にはラリー・グラハムが祖と言われているが、ルイス・ジョンソンが広めたと言っても過言ではないだろう。チョッパーというのは日本の造語で正式にはスラップ奏法と呼ばれる。(HINE)


ディストーション DISTORTION

もともとは「歪み」という意味だが、エレクトリック・ギターで使うエフェクターで、故意に歪みを発生させる装置をこう呼ぶ。また、定格入力以上の信号を送ったときに歪んでしまったようなソフトなディストーションをオーバードライブと呼んで差別化することもある。(HINE)


ディレイ DELAY

信号が遅れることやそれを機械的に作り出すマシンを総称してディレイ、またはディレイ・マシンと言う。エコーやリバーブも信号を遅らせる事によって得られる効果には変わりはないので、「ディレイ」効果の一種と考えていいだろう。(HINE)


トーキング・モジュレーター TALKING MODULATOR

ギター・アンプから出る音を集めチューブの中から出し、そのチューブを口にくわえて、声のように変化させるエフェクター。ジェフ・ベックがいち早く使いこなし有名になった。他に使っているプレイヤーではピーター・フランプトンやジョン・ボンジョヴィなどがいる。(HINE)



トリビュート盤 TRIBUTE

特定のアーチストに対しての賞賛や尊敬の意を込めて企画された編集盤で、そのアーチストから影響を受けた人たちが参加して作られる。70年代〜80年代には、こういった企画も単一もしくは少数のアーチストによるものがほとんどであったが、近年参加ミュージシャンが豪華になり、讃えられるアーチストよりそちらの方が話題になることが多い。(HINE)



ナ〜ノ



ハ〜ホ

バイオリン奏法 VIOLIN PLAYING

エレクトリック・ギターのボリュームを0にしておき、ピッキングと同時にボリュームをあげることでバイオリンで弾いたような音を作り出す奏法。初期にはエリック・クラプトンやジェフ・ベック、ロリー・ギャラガーら、限られた技巧派ギタリストだけがやっていたが、ボリューム・ペダル(フット・スイッチにより足でボリュームを操作するアタッチメント)の登場で誰でも簡単に同じ効果を得ることができるようになった。(HINE)


ピッキング・ハーモニクス奏法 PICKING HARMONICS PLAYING

ロイ・ブキャナン(g)がやり始めた奏法と言われる。通常のハーモニクスとは、ギターの弦上のある特定の場所(弦長の1/2・1/3・1/4・1/5・・・)を、押さえずに触れたままピッキングすると鳴る特定の音。それに対しピッキング・ハーモニクスは、ピッキング時にピックで弦を弾いた直後、親指でもいっしょに軽く弦に触れるようにすると、ハーモニクス効果が出る。ただし、ピッキング位置は押さえた位置とブリッジの1/2・1/3・1/4・1/5・・・。これを利用して、どの場所でもどの音でも、ハーモニクス効果を出してしまうという奏法。(HINE)


ファズ FUZZ

1960年代後半のサイケデリック時代から使用され始めた、エフェクターの草分け的存在。初期には主にギターで使われ、強烈な歪みが特徴。その後ドラムやキーボードなど様々な楽器にも使用されるようになったが、単音でないと音程が失われるという欠点があり、ディストーション、オーバードライヴといった他の新しいエフェクターに取って代わられた。(HINE)


フィードバック奏法 FEEDBACK PLAYING

エレクトリック・ギターの奏法で、ギターとアンプ間でハウリングのような状態を故意に作り、無限のサスティーン効果を得るもの。これをアンプとギターの角度や演奏する立ち位置などを計算して特定の音をフィードバックさせるなど、奏法として確立させたのがデビュー前のジェフ・ベックだ。以降ハードロック・ギターの奏法には欠かせないものとして、現在でも多くのギタリストが取り入れている。(HINE)



フェンダー FENDER

1944年アメリカでレオ・フェンダーとドク・カフマンがギターとアンプの会社K&Fを設立。1946年にK&F社が改名しフェンダー社になった。
フェンダー社は1948年にテレキャスターの基となるブロードキャスター発表して以来、エレクトリック・ギターに数々の技術的革命を起こした。
ボディとネックをボルトで固定するジョイント、フィンガーボードを貼らずに裸のネックに直接フレットを打ち込んだネック、狂いの少ない(当時はの話)トレモロ・ユニット、大胆に切り抜いたボディ形状、ギターと同じようにフレットを打ち込んだベースギターなどがそれだ。
その後、ストラトキャスターなどの大ヒット商品を生み、エレクトリック・ギター界ではギブソンと双璧をなすが、65年にはレオ・フェンダーが会社をCBS社に売却してしまう。その後、しばらく音沙汰のなかったレオ・フェンダー氏だが、72年にミュージックマン社より依頼を受け、ギターとベースの製作を担当し話題を呼んだ。
フェンダー社自体は、82年にフェンダージャパンを設立させるなど、今なおご存じの通り健在。(HINE)



ホンキートンク・ピアノ HONKY-TONK PIANO

ジャズ創生期にニューオリンズで生まれたジャズとその演奏の特色を表した言葉がホンキートンクで、もともとはお金が無くきちんと調律できない場末の居酒屋などに置いてあったピアノをこう呼んでいた。現在では一般的に調律をわざと少し狂わせ、余韻を短く濁った音にすることがホンキトンク・ピアノ・サウンドとなっている。また、ラグタイム・ピアノの変形とも言えるピアノ奏法をホンキートンク・ピアノと言うこともある。(HINE)



マ〜モ

マーシャル MARSHALL

ロック界で一番有名かつ人気のあるギター・アンプ製造販売会社。創始者JIM MARSHALLはロンドンで13歳の時から独学で工具製作を学ぶ傍ら、ドラマーとしてもマックス・エイブラハムの元で学び、その後ミュージシャンおよびドラムを教えて生計を立てていた。1960年ジムは楽器屋のマーシャル第1号店をオープン。するとその店へ教え子のドラマー達がバンドのメンバーを引き連れてやってくるようになった。その中のギタリスト達がより大きな音を出してみたいという話をしているのを聞き、ジムは電気の専門家やユーザーを集め、ガレージを工場に変えて数ヶ月かけて第1号のアンプを作り出した。1962年そのアンプの販売を開始すると好評を博し、64年にはミドルセックスへ工場を移し本格的に製造を開始した。
初期にはピート・タウンゼント(ザ・フー)が開発にかなり協力していたらしい。その後イギリスのアーチスト達の世界的成功とともにマーシャル・アンプも成長を遂げ、輸出も急激に増えていった。
そして、極めつけはジミ・ヘンドリックスの登場で、マーシャル・アンプの前で繰り広げられる信じられないようなプレイは、人々の目にしっかりと焼き付けられた。これにりマーシャル・アンプの注文が殺到、60年代末〜70年代初期には生産が追いつかないほどの注文を抱え、以来今日までロック界では不動の人気を誇っている。
他にマーシャル・アンプを使って強烈な印象を残したプレイヤーは、エリック・クラプトン(クリーム時代)、リッチー・ブラックモア(元ディープ・パープル)などがいたが、その後数え切れないほどのプレイヤーが使用している。アンガス・ヤング(AC/DC)、エース・フレーリー(元キッス)、イングヴェイ・マルムスティーン・・・・・・etc.
現在では75年のマスターボリューム付きに改良されたおかげでフル・ボリュームでなくても、マーシャル特有のディストーション・サウンドが得られるアンプに進化している。マーシャル社自体はギター・アンプの他、ギター・アタッチメント・ペダルやベース、その他の楽器のアンプ、PA用スピーカーなども製造販売している。(HINE)



ミックスダウン MIX DOWN

マルチトラックで録音されたテープの信号を、ミキシングしながら通常のステレオで信号である2トラックに直す作業。エフェクト処理などもこの時行われ、書く楽器のバランスや全体の音バランスもこれによって左右される。別名トラック・ダウン。(HINE)



メロトロン MELLOTROM

1950年代にアメリカ人ハリー・チェンバリンによって開発され売られていたチェンバリンをイギリスのビル・フランセンが購入し、コピー商品を62年に製作し、さらにメロトロニクス社を設立して「メロトロン」として量産してしまった。これが成功して、チェンバリンよりメロトロンの方がメジャーになってしまった。
メロトロンは鍵盤の数だけ音程に対応する音声や楽器の音をアナログ・サンプリングした録音済みテープが用意され、鍵盤を叩くと約7秒間再生される。また、レバーによりヘッドの位置を移動させ、音色バリエーションを得る。アナログ・テープ特有のワウ・フラッター(回転ムラ)が不安定でゆがみのある面白い音の効果を生んだ。ビートルズの「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」のイントロは、フルートの音をサンプリングしたメロトロンの音色。60年代後半〜70年代初期にプログレ・バンドがよく愛用していた。有名なのはPFMムーディー・ブルースなど(HINE)



ヤユヨ

ヤマハ YAMAHA

山葉寅楠氏が1988年につくった山葉風琴製造所をもとに、1897年日本楽器製造株式会社を設立。これを1987年に社名変更し、現在のヤマハ株式会社となる。
ヤマハは国内では、早期より独自の技術と品質の良さで、他の楽器メーカーを寄せ付けないほど大きく発展した。エレクトリック・ギターの分野でも、他のメーカーがまだ海外製品の模倣品ばかりを作っていた時期に、早くも独自のSGシリーズを発表し(1966)、カルロス・サンタナが愛用するなど、世界ブランドとしての地位を確立していった。
シンセサイザーの分野では、エレクトーンなどホームユース用キーボードは早期から着手していたが、プロ用機材では少々遅れをとっていた。しかし、83年にデジタルシンセサイザーDX7を登場させ、一躍世界で最もポピュラーなシンセとして、プロからアマチュアまで幅広いユーザーの支持を得た。このDX7の特徴は、誰にでも簡単な操作でプロ用に耐えられるほどクオリティの高いサウンドが出せることにあり、エレクトーンなどで培った技術ノウハウがふんだんに盛り込まれていた。(HINE)



ユニゾン UNIZON

完全1度音程。または同音やオクターブ上下させた同音のラインをユニゾンと言う。ユニゾン・プレイとはそういった音を同時に出す演奏法。(HINE)



ラ〜ロ,ワ

ライト・ハンド奏法 RIGHT HAND PLAYING

エドワード・ヴァン・ヘイレン(ヴァン・ヘイレン/g)が確立したギター奏法で、通常左手だけでフレットを押さえ音階を変えるのに対し、右手も同時に使用し、音程差が大きく、しかも速いフレーズを弾くことが可能になった。アンプのパワーを利用したエレクトリック弦楽器ならではの奏法ともいえる。78年にヴァン・ヘイレンがデビューして以来、この奏法は瞬く間に広がり、今ではロック界のみならず、フュージョン系をはじめとする、さまざまな弦楽器奏者によって受け継がれ、ロック界ではできるのが当たり前の状況である。(HINE)



リイシュー REISSUE

既に発売済みのアルバムを再プレスし、再発売すること。音源自体には手を加えていない。リメイクも同義語。リマスターが盛んになった現在、区別するためによく使われるようになった。(HINE)



リッケンバッカー RICKENBAKER

1931年ルドルフ・リッケンバッカーとジョージ・ビウチャンプ氏が、電子楽器とアンプの会社としてロサンゼルスに設立。初期はハワイアンギターの製作を主にしていた。
リッケンバッカーのギター&ベースギターづくりの特徴は、あくまでも手作りを基本とし、可能な限りのパーツを自社内で生産、木は自然乾燥、ピックアップコイルはすべて1人の専任者によって巻かれるなど、徹底した品質管理による高品質にある。ジョン・レノンが愛用(325V63)していたことでも有名です。(HINE)



レズリー・スピーカー LESLIE SPEAKER

ハモンド系のオルガンに組み合わせてよく使われるロータリー・スピーカーの商品名。内部で2つのホーン型スピーカーがモーターで回転することで、「ドップラー効果」呼ばれる、リスナーにビブラート感を与える効果を生み出す。(HINE)



ローランド ROLAND

1972年設立。73年には早くもシンセサイザーSH-100Dを国内で初めて生産化。74年にはテープ式エコーマシンRE201を発表、76年国内初システム・シンセサイザーSYSTEM-70発表、77年世界初のGRギターシンセサイザーを発表、80年8音ポリフォニック・シンセサイザーJUPITER-8を発表するなど、後発メーカーとしては驚異的な追い上げで、他の国産メーカーと肩を並べるに至った。また、エフェクターの分野でも、別ブランド「BOSS」で幅広く商品展開する。(HINE)



ワウワウ WOWWOW

特性を鋭くしたバンド・パス・フィルターのピークとなる周波数を変化させることで、ピーク付近の高周波を強調して音を変化させる。フット・ペダルを使い周波数を変化させるものが一般的だが、自動で入力を関知し変化を起こすオート・ワウもある。ようするに音がワウワウと聞こえるように変化するのでこの名前が付いたと思われる。(HINE)



A〜K

A/Dコンバーター Analogg to Degital converter

文字通りアナログ信号をデジタル信号に変化する回路。変換には計算方式、比較方式などがあり、CD(コンパクトディスク)も音をPCM(パルス符号変調)でA/D変換している。また、逆にデジタルからアナログへ変換する装置をD/Aコンバーターという。(HINE)



L〜Z

MD(エムディー) Mini Disc

1992年に発売。ソニーによって規格提案された史上初の光磁気記録方式ディスク・メディア。このMDの登場でカセット・テープは一気に衰退した。記録信号はATRAC(Adaptive Transform Acoustic Coding)という、元データを5分の1に圧縮する方式が採用され、磁気テープより高密度な記録が出来る特性も持っている。(HINE)



MIDI(ミディ) Musical Instrument Digital Interface

1982年、シークエンシャル・サーキット社のデイヴ・スミス氏が提唱した電子楽器・機器・音楽用ハードウェア/ソフトウェアに共通な交際統一規格。
現在ではほとんどの電子楽器・機器がMIDI端子を装備していて、MIDIケーブルでつなぐことによって、異なるメーカーの機器間でもさまざまなデータの送受信ができる。コンピューターのシーケンス(*)・ソフトとMIDIの組み合わせによって、複数トラックの同期演奏なども容易になり、1人で全ての楽器を同時に演奏させながら歌う、ワンマンショーも可能だ。
(*)シーケンサー→「音」そのものではなく「演奏」を記録してしまうもの(HINE)



MTR(エムティーアール) Multi-Track Recorder

通常のステレオでは左右2つのトラックで同時に録音・再生をしているが、マルチ・トラック・レコーダーの場合、多数のトラックを持ち、それぞれのトラック単独で録音再生ができる。ただし、テープに録音する場合はテープ幅に限界があり、カセット・テープではA面2トラックとB面2トラックを同方向に使うことで4トラックを確保するのがやっと、オープン・リール式のものでも16トラックがせいぜいだった。しかしMDやCD-Rの登場やハードディスクなどに直接記憶させることで、現在では無限に近くトラックを増やすことが可能になった。(HINE)



PA(ピーエー) Public Adress

コンサート・ホールなどで使用する場内拡声装置。ハードロックの登場以来、いかに大きい音を出すかという競い合いが起き、しだいに爆音に耐えられる機材が要求されるようになってきた。それに伴い70年代PA機材もすごい勢いで進化を遂げた。もともとロックにおいては、電子楽器と生の声やドラムを組み合わせるのにPA機材は必要不可欠であったし、近年コンサートにおいてもミキシング(音量や音質を調整すること)した音を場内に流すのは常識化している。(HINE)



PCM(ピーシーエム) Pulse Code Modulation

アナログ音の信号をデジタル符号に変換する方法の1つで、デジタル・オーディオの多くで実用化されている。また、実際の楽器音をサンプリング用にPCM化したものをPCM音源ともいう。(HINE)



SE(サウンド・エフェクト) Sound Effect

一般的には、映画やテレビなどの画像に合わせて鳴らす効果音や音楽のことだが、ロック界では曲のイントロや途中に挿入される効果音のことを指す。(HINE)



1〜9

12弦ギター TWELVE STRINGS GUITAR

通常6本のギターの弦をそれぞれ2本づつに増やし12本にして、1,2弦は同じ音、3〜6弦は1オクターブ高い音を加える。使用代表例では、イーグルスの「ホテル・カリフォルニア」がある。ジミー・ペイジがライヴで使う12弦ギターと通常のギターを1つにしたダブルネック・ギターも有名だ。(HINE)