Slade  written by suma

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自分のサイトではほとんど触れていないが、実は僕、Sladeの大ファンである。
というより、個性的な4人のメンバーのファンと言おうか。
正直、音楽的にはそれほど聴きこんでいない。
というわけでHPに話題が上らなかったのだが…
そんなファン失格の僕が彼らを紹介するのも気が引けるが、どうかお許しいただきたい。

彼らといえば、やはり「Cum On Feel The Noize」であろう。
Quiet RiotやOasisのカバーで有名なこの曲は、元々このSladeが73年に放った全英No.1の大ヒット曲である。
彼らは、イギリスのグラムロックブームメントの波に乗り大ヒットを連発した。
単純で軽快・親しみやすく分かりやすい楽曲は、本国イギリスやアメリカで大いに受けいれられたが、ことプログレブームの日本ではまったく泣かず飛ばず、未だに彼らは正当評価されているとは言えないだろう。
特にイギリスでは未だ国民的な人気を誇るだけに、そのギャップがいささか物悲しい。

オリジナルメンバーであり、30年間一度も変わることが無かった不動の4人は以下。

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Noddy Holder
ノディ・ホルダー(Vo,G)
喜劇から飛び出してきたかのようなルックス・キャラクターと、ダミ声かつかなりのハイトーンボイスを持つ非常に個性的なおじさん。
山高帽とタータンチェックのズボンがトレードマーク。
このタータンチェックはBay City Rollersにも影響を与えたとか。
Sladeでの活動が一段落付いた後は、テレビやラジオの司会など多忙な日々を送る。
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Dave Hill
デイヴ・ヒル(G,B)
ノディおじさんの更に上を行く、超個性的なギタリスト。
行き過ぎたほどグラマラスなギンギラファッションもさることながら、そのビーバー似のルックスに、ピッチリ揃った前髪が特徴のヘアスタイルは非常に印象的。
このヘアスタイルは、本国イギリスでは古典のギャグとまでなっているらしい。
例えるならカトちゃんのハゲカツラか。
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Jimmy Lea
ジム・リー(B,Violin)
笑顔が印象的な好青年。
メンバーの中では一番音楽に精通しており、ベースの他にバイオリンも弾きこなす。
むしろバイオリンのほうが上手いかもしれない。
「Radio Wall of Sound」などでボーカルもとっており、ねちっこい歌声を聴かせてくれる。
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Don Powell
ドン・パウエル(Dr)
パワフルなプレイでバンドの縁の下を支えるドラマー。
自動車事故で色々大変な目にあっているらしいが、今も現役バリバリで活躍している。

この4人で、69年にThe 'N Betweensを結成。地道に活動をする。
Ambrose Sladeに改名後、フォンタナレコードよりデビューするもまったくヒットせず。
ジミ・ヘンドリクスのマネージャーであったチャス・チャンドラーがマネージメントに参加、Sladeとして70年にアルバム「Play It Loud」で再デビュー。
その後は前述の通りグラムロックの波に乗り、文字通り大ヒットを連発する。

全英1位を記録したシングルだけでも、
Coz I Luv You」(71年)
Take Me Bak' Ome」(72年)
Mama Weer All Crazee Now」(72年)
Cum On Feel The Noize」(73年)
Skweeze Me Pleeze Me」(73年)
Merry Xmas Everybody」(73年)
と枚挙にいとまがない。

シングルヒットばかりが取り上げられアルバムアーティストとしては印象の薄いSladeだが、「Slayed ?」「Sladest」「Old New Borrowed and Blue」と三枚続けて全英1位を記録しており、まさしくSladeはイギリスの国民的バンドとして大人気を博していたのだ。

さて、グラムロックムーブメントが終焉に向かうと共に、Slade人気にも陰りが見え始める。
主演映画のサントラとして74年にリリースした「In Flame」は、シングル「Far Far Away」こそかろうじてNo.2に滑り込むものの、アルバムとしては全英6位とSladeにしては少し落ち込みの見えるセールスであった。
そして、「Nobody's Fools」が14位にランクされるが最後、Sladeはチャートから姿を消すこととなる。

Sladeの名前が一般音楽ファンからすっかり忘れられた83年、前述の通り、Quiet Riotが「Cum On Feel The Noize」をカバーして大ヒットさせる。
ここで同年、待ってましたとばかりに、「The Amazing Kamikaze Syndrome」がリリースされる。
(実際には彼らは根気強く活動しており、このアルバムもその過程で発表された一枚に過ぎないのだが)にわかSladeブームに沸いていた音楽界で、このアルバムは非常に好意的に受け入れられ「Run Runaway」と「My Oh My」の二大名曲がシングルカット、イギリス・アメリカで大ヒットを収める。

その後も彼らは精力的に活動を続けたが、ノディとジムは音楽界から一歩退き、デイヴとドンはSlade-IIというバンドを新たに結成、精力的に活動を続けていたが、2002年になってノディとジムも戻りSladeとして復活。「Cum on Let's Party」というアルバムをリリースしている。
これが現時点での最新作、まだまだ彼らにはパワー溢れる音楽を演っていって欲しいものだ。


Discography

主なアルバムのみ掲載。
全ての音源を聴くに至っておらず、コメントが付けられない作品があるのをお詫びいたします。
尚、Nobody's FoolsのみHINE氏によるアルバム解説が付いています。

1969 Beginnings  Ambrose Sladeとしてのデビュー作
1970 Play it Loud  Sladeとしてのデビュー作 グラムチックなサウンドはまだ聴かれない
1972 Slayed ?  トップスターの座に上り詰めた初期の名盤
1973 Sladest
1974 Old New Borrowed and Blue
1974 In Flame  主演映画のサントラ 白い衣装が印象的
1976 Nobody's Fools
1977 Whatever Happened to Slade
1981 We'll Bring the House Down
1981 Til deaf do us part
1983 The Amazing Kamikaze Syndrome  Slade復活の快作
1985 Rogue's Gallery
1985 Crackers  セルフカバーによるクリスマスアルバム
1987 You Boyz Make Big Noize
2002 Cum on Let's Party