Written by RICK

LIVE BETWEEN THE EYES  1991年発売 Musicvision/Warner
ライヴ'82/レインボー (Video & Lazer Disc)

Joe LynnTurner(vo), Ritchie Blackmore(g), David Rosenthal(Key), Roger Glover(b),
Bobby Rondinelli(ds)

1982年8月18日 米テキサス州サン・アントニオでの収録
*ビデオとレーザー・ディスクはすでに廃盤。現在はブートレグのDVDがあり、中古店やブート専門店で入手できる

 1982年、8月18日、アメリカ、テキサス州サンアントニオでのライヴ。アルバム「闇からの一撃」に伴うツアーで、メンバーもそれと同じ。正直、これが映像でなく、CDだったらかなり厳しいと思える演奏だが、パフォーマンスはかなりのものだ。ビデオ撮影だったということもあるのかもしれないが、全員かなりハイテンションで気合いの入ったパフォーマンスを魅せてくれる。では、曲ごとにみていこう。
(曲目はブートレグDVD「Live Between The Eyes」によるもの。VTRやLDではトラック数の表示が異なるが、内容はまったく同じ)

1. Somewhere Over The Rainbow
 
ナゾの映像からオープニングに入る。男性の読んでいる新聞のレインボーの記事が燃えて、ライヴ映像にはいる。リッチーがスライドであの有名なリフを弾いて、スライドでちょこっとソロを披露して次の曲へ。

2. Spotlight Kid
 
ジョー時代のオープニングナンバーとして定着している。ちなみにリッチーのギターは頭から狂い気味で、ギターソロのハーモニクスにアーミングをかけたところで完全に狂ってしまったようだ。そのあとのクラシカルフレーズはなんとなく音程がおかしい。そしてその次のデイヴのソロはリッチーのギターの音に消されてほとんど聴こえないという始末。リッチーはなんか舌出しながらニヤけているのだが・・・(笑) また、ロンディネリのドラムがやたらパワフルなので、楽曲自体はとてもヘヴィにカッコよくなっている。

3. Miss Mistreated
 
ディレイを使ったジョーのヴォーカルから曲へ。前曲同様、元から結構ヘヴィなのだが、それよりかなりヘヴィになっている。女性コーラスがかなりがんばってジョーをサポートしているようだ。リッチーのギターをロジャーが弾くという微笑ましい光景も見ることが出来る。

4. Can't Happen Here
 前半はノリで飛ばしまくっているようだ。またまたノリの良い曲。この曲は前の「治療不可」で解説したように、みんなかなりハイテンションでプレイしている。確かに弾いていて楽しい曲なのだ。リッチーのギターソロでの指の動かし方は明らかにオーバーアクションである(笑)  またソロ後半はずっと同音のチョーキングですませている。後の日本公演のビデオと比べると、ロンディネリのドラミングのせいか、かなり重たくなっている。最後にジョーがパン・パン・パン(?)とキメてカッコよく終わっている!と思う・・・多分・・・(笑)

5. Tearlin' My Heart
 リッチーのクラシカルなソロからジョーのヴォーカルへ。ここでのジョーは、なかなかがんばっているのではないだろうか。この曲の見せ場は、やはり曲後半のスピードアップするアレンジだろう。リッチーはなかなかアグレッシヴでよいソロを弾いている。ブレイクのときに珍しく、カッティングでのソロを披露しているが、すごいキレ味でとてもカッコよい。

6. All Night Long
 リッチーがLazyのリフを弾く。そしてジョーとリッチーがドラムをパンチするようなアクションのあと、リッチー得意の客を煽るアクション。そしてWoman From Tokyoのリフを弾いたあとにようやくAll Night Longのリフに入る。すると、またもやリッチー煽り、ようやく曲に入る。このときのアレンジは、まだ歌中にブレイクが入るものではなく、原曲に忠実なアレンジになっている。ジョーは1コーラス目はなんとか歌えているが、2コーラス目からはフェイクをカマしまくっている。ちなみに3番のサビでは息切れしたのかフラットしている。グラハム時代と同じく、3コーラス目が終わるとブレイクが入って、ジョーとリッチーの掛け合いが見れる。そのあと、これはジョー時代だけのアレンジなのだが、リッチーのアルペジオにジョーがメロディアスなヴォーカルをのせてシメる。最後はお決まりの1音転調で終わる。

7. Stone Cold
 
デイヴがChild In Timeのイントロを弾く。当然ジョーでは無理なので歌はないが、ファンサービス精神旺盛で良い。曲はかなりテンポアップしている。女性コーラスのがんばりで歌メロはかなり良くなっている。特にサビは感動モノだ。ちなみに「コールド」を意識したのか、上にある巨大な目玉が青く光るというパターンができている。リッチーのギターソロは何故かなくなっている。

8. Power
 この曲は前フリなしでいきなり曲に入る。ジョーは多分「Thank You!ドーモ!」といっている。日本人がいたのかな。この曲はライヴだと勢いが加わってとてもカッコよい。リッチーのアクションもかなりド派手だ。片足バランスみたいなことまでやっている。また、この曲でもアーミングのしすぎでチューニングがボロボロになっている。ソロはグリスを多用したテキトーなものになっていて、ノリで弾いている。この曲も女性コーラスがかなり良いサポートをしている。

9. Blues Interlude
 
お決まりのブルースだ。デイヴとリッチーの掛け合いは必見だろう。それにしてもデイヴはかなり良いフレーズを弾く。ブルースが得意なプレイヤーではないと思うのだが、それにしては上手すぎるのだ。やはりリッチーの人を選ぶ目はホンモノだ。

10. Difficult To Cure
 
もはや必ずセットに入るのがこの曲だ。なぜかジョーがSGを持ってきてエアギターを弾いている。リッチーのソロはかなりトリッキーで、アーミングしまくりだ。この時はそんなにチューニングは狂っていない。ロンディネリのシンバル乱れ撃ちからロジャーとデイヴのクラシカルなソロへ。そのあと、ウラでチューニングして来なかったのか、かなりチューニングが狂ったままリッチーが帰って来る。オジー・オズボーンばりに観客に水をかけたあと、ユニゾンでかけあがるよなフレーズからそのままつながってリッチーのアーミング爆発のソロへ。背中弾きを披露している。

11. Drum Solo
 
前半は叩きまくりのソロだが、途中からスティックをシンバルにヒットさせて飛ばす(客に刺さらないのだろうか・・・)そのあと素手で叩きはじめて観客を煽る。そしてスティックを飛ばしまくる。このように観客を飽きさせないドラムソロは珍しいと思う。しかし、いつみても彼のシンバル乱れ撃ちはカッコイイ!シメはさんざん観客を煽ったあと銅鑼を叩くのだが、ちょっとパワー不足気味だったかな。

12. Long Live Rock'n'Roll
 
セット入りした唯一のロニー時代の曲だ。だが、ジョーがロニーと同じキーで歌うのは厳しいようで、キーを下げている。ジョーは結構がんばっているようで気合いの入ったシャウトを聴かせてくれる。リッチーはデイヴとの掛け合いを入れて、なかなか良いソロを披露している。ジョーのブレイクの観客との掛け合いはかなり上手で見事に煽っている。曲に戻る際に足元の花火が爆発して派手にステージを演出している。

13. Kill The King
 
とは言ってもギター・クラッシュだ。いきなりギターソロから入る。リッチーはどうもKill The Kingのアルペジオフレーズを弾けていないようだ。ギターは壊し用のもので音はかなり良くない。リッチーがギターをはずして振り回す、そして名アクション(?)「お尻にギタースリスリ」をしてギターをロンディネリに叩かせる。そのあとお決まりのSE入りのギター・クラッシュだ。これは見事に動作と音が合っている。そのギターを観客にプレゼントしたあと、またLong Live Rock'n'Rollに戻って曲が終わる。

14. Maybe Next Time
 
テープを流してからバンドの演奏に入る。リッチーのメロディアスなスライドギターが聴き所だ。

15. Smoke On The Water
 
2コーラスだけの演奏で、ジョーの歌唱はソツなくこなしているといったカンジだ。途中リッチーが、投げ込まれたフリスビーのようなものでギターを弾く光景が見られる。ちなみにレインボーのこの曲とパープルのこの曲では微妙にリフが違うのだ。ほとんどわからないのだが、1音目が変わっている。

(RICK) 2005.4