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Polnareff Epic/Sony |
Polnareff 2 Epic/Sony |
Polnareff's CBS/Sony |
Polnareff 4 Epic/Sony |
Polnareff A Tokyo Epic/Sony |
Michel Polnareff Epic/Sony |
ディスコ・グラフィー 1966年 Love Me
Please Love Me* |
Polnarevoution Epic/Sony |
Lipstick Atlantic/Epic/Sony |
Coucou Me Revoilou Epic/Sony |
Bulles Epic/Sony |
Kamasutra Epic/Sony |
MICHEL POLNAREFF Michel Polnareff (注)CD版の「星空のステージ(Fame A La Mode)」は このアルバムと同一の内容です |
SIDE-A 1 . 星空のステージ 2 . 火遊びはやめて 3 . 失われたロマンス 4 . 愛の旅人 |
SIDE-B 1 . 僕のレディ・ブルー 2 . 雨の日のラヴ・ソング 3 . 僕の恋は救世主 4 . 青春の傷あと 5 . 君を夢見て |
ミッシェル・ポルナレフは、自ら「僕はロックンローラー」(邦題だが・・・)という曲も唄っているとおり、フランスを代表するロッカーであり、プログレ系を含めても国内初にして最大の成功を収めたフランス音楽界の革命児でもある。彼が世界的に活躍した70年代には、名曲・名盤もたくさんリリースしているが、そのほとんどはフレンチ・ポップの香りがする軽快な曲かバラードを中心としたものだ。 ところがこのアルバムでは、いつまでたっても保守的なフランスに嫌気がさしたのか、アメリカへ進出しロスの一流ミュージシャンを従えレコーディングしたということもあり、ロッカーとしての彼本来の持ち味が一番出た作品に仕上がっている。 まず、このアルバムに参加しているセッション・ミュージシャンの顔ぶれに驚かされる。その主なところをあげておくと、ギターにはジャズ&フュージョン界ではお馴染みのリー・リトナーの他、アンドリュー・ゴールド、スティーヴ・クロッパーなど、ベース・ギターにはTOTOのデヴィッド・ハンゲイト、ドラムにはナイジェル・オルソン、ジム・ゴードン、ジム・ケルトナーなどなど、超一流どころが揃っている。これだけでも如何に彼が当時期待されてアメリカデビューを果たしたかが分かる。また、このアルバムでは「アメリカ制覇」という目標があったため、ポルナレフはすべて英語で唄っている。故に歌詞はすべて外部ライター2人によるものだ。 内容の方はと言うと、これがもう、ものすごい名盤である。なぜ当時これがアメリカで受け入れられなかったというと、それはおそらく彼の強烈なフランス語訛りとプロモーション不足のせいだけだろう。他に売れない要素などはまったく見あたらない。日本人の自分が聞いても、「これって英語?」と思うぐらいだから、そうとう訛っているのも事実だが・・・。 しかし、それだけに日本人や英語圏以外の人たちが聞けば、違和感も少なく、それまでのポルナレフとほとんど変わらないはずだ。 ポルナレフというと、イコール、激情のバラードというイメージも強いが、このアルバムでもA-3、A-4、B-2、B-4ですばらしいバラードを聞かせてくれる。特にA-4の「愛の旅人」では、エンディングにリー・リトナーによる絶妙なギター・ソロが入り、個人的にとても感動した。B-4「青春の傷あと」は、それまでの彼のサウンドに一番近いアレンジで、オーケストラをバックにフランス語訛りバリバリのポルナレフ節で切々と唄いあげる。この曲はシングル・カットもされている。また、B-3「僕は恋の救世主」は、今までには考えられなかったようなカントリー・フレイバーを効かせた曲。このあたりは、アメリカのマーケットを意識してのことだろう。 結局、このアルバムのセールス不振から創作意欲を失ってしまったのか、この後契約を消化するためとも思えるミニ・アルバムを1枚出しただけで、アトランティック・レコードから撤退。しばらく新作も出さずに世界の表舞台からは退いてしまった感じだ。このアルバムは相当な自信作であったに違いないであろうから、それも無理もないところか・・・。 だが、この素晴らしい楽曲達を埋もれさせるのは、たいへんもったいないことだ。最近になって、タイトルをFame A La Mode(邦題「星空のステージ」)と変更し日本でもCD化されたが、ぜひともフランス語で歌い直し再リリースしてもらいたいものである。(HINE) |