お薦め名盤Vol.3(FUNKY)

黙示録/アース・ウインド&ファイア
I AM/EARTH WIND & FIRE

1979年 25AP 1400◆CBS Inc.

SIDE-A

1.石の刻印〜間奏曲
 In The Stone〜 Interlude
2.旋風の使者
 Can't Let Go
3.アフター・ザ・ラヴ・イズ・ゴーン
 After The Love Is Gone
4.天空に捧ぐ
 Let Your Feelings Show

SIDE-B

1.ブギー・ワンダーランド
 Boogie Wonderland
2.スター
 Star
3.ウェイト
 Wait
4.ロック・ザット!
 Rock That!
5.ユー・アンド・アイ
 You And I


メンバー
モーリス・ホワイト Maurice White(ヴォーカル、ドラム、パーカッション)
フィリップ・ベイリー Philip Bailey(ヴォーカル、パーカッション)
ジョニー・グラハム Jonny Graham(ギター)
ラルフ・ジョンソン Ralph Johnson(ドラムス、パーカッション)
バーディン・ホワイト Verdin White(ヴォーカル、ベース・ギター)
アル・マッケイ Al McKay(ギター)
アンドリュー・ウールフォーク Andrew Woolfolk(サックス、フルート)
フレッド・ホワイト Fred White(ドラムス)
ラリー・ダン Larry Dunn(キーボード)

69年結成のアース・ウインド&ファイア(EW&F)は72年に大幅なメンバーチェンジを行い、このようなメンバーになった。特にフィリップ・ベイリーを加えたことで、モーリス・ホワイトとの強力なハーモニーが完成し、成功を収めていった。
このアルバムは、そんな絶頂期のEW&Fの中でも抜群の完成度を持っていたアルバムで、FUNKにROCKとPOPをうまく融合させた名作だ。
EW&Fは、実質モーリス・ホワイトのワンマン・バンドなのだが、彼自身も他のメンバーもたいへん真面目で、ほとんどのメンバーが菜食主義者、ツアー中は禁酒禁煙らしい。
メンバーを見てもらえばわかる通り、3人がホワイト兄弟で、モーリスが9人兄弟の長男、バーディンが次男、フレッドが四男ということだ。注目すべきは、ドラマーが3人もいることで、これがEW&Fの強力にして緻密で分厚いリズムを生み出している。

サウンドについて
このアルバムからは「ブギー・ワンダーランド」の大ヒットが生まれているが、どちらかというと、この曲だけが浮いているような感じで、本来は全体の曲で聞かせるトータル・アルバム的な内容を持っている。
特にSIDE-Aは1曲目から間奏曲を経て2曲目までノリノリで、そのあとバラードをじっくりと聞かせるという素晴らしい構成。すべてが計算し尽くされ、メンバー達の真面目さがそのまま出ているような感じだ。
また、このアルバムではプロデューサーに、シカゴやホール&オーツでお馴染みのデビット・フォスターを迎え、ゲスト・プレイヤーにもTOTOのスティーブ・ルカサー(g)とスティーブ・ポーカロ(kb)を起用するなど、ロック&ポップ色を強め、今までのソウル&ファンキースタイルを、より一般的にも聞きやすいものにしている。
しかし、このアルバム以降、そういった傾向がさらに強まりすぎて、本来のEW&Fサウンドの魅力が薄れていってしまうのだが・・・。
そういった意味でも、ちょうどよい心地よさを持つファンキー・サウンドに仕上げたこのアルバムは、個人的には彼らの最高傑作だと思える。