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I THINK WE’RE GONNA NEED A BIGGER BOAT / THE BPA

とにかく「Toe Jam(邦題:足指ダンシング)」のPVを観て貰いたい。

http://www.youtube.com/watch?v=6hi99JdeBeY&feature=related

これは、エロスを超越した大人の娯楽作品。そのバカバカしさに誰もが釘付けになってしまうのは間違いない!
全編に亘る味付け海苔(笑)の華麗な動き、特に後半に出てくるこのアルバムの中心人物ノーマン・クックの「回転ぐるぐる」の離れ業は見事。
この曲のヴォーカルは、あのトーキング・ヘッズのデヴィッド・バーンとUKの若き異才ディジー・ラスカル。
でも、この曲とふざけたビデオが実に見事にマッチングしているんだな。

そもそも「BPA」って何だ?という話だけど、その昔(1970年代後半)にブライトン・ポート・オーソリティ(略してBPA)という名前のユニットが、様々なミュージシャンを集めて、お酒を飲みながらジャム・セッションを行っていた(らしい)。その時の貴重なテープが2007年9月、再開発が進むイギリスのブライトン港周辺の倉庫から発見された。(多分ジャケット写真の積み重ねられたテープが、それ)
イースト・サセックス在住の音大教授ラドルフ・シール博士(って誰だよ?)は、このテープの発見に衝撃を受け、このマスター・テープは正に『宝の山』だと興奮気味に語った・・・。
そのテープをリマスター処理して、遂に日の目を見たというわけだ。

それが真実かどうかはこの写真を見れば一目瞭然なのだが(笑)、前フリは冗談でも音の方は実に真面目な大人のダンス・ミュージック・アルバムに仕上がった。

先ずはM-1の「He's Frank」のドスの効いた声に度肝を抜かれてしまう。この声の主はイアン・デューリーかナイトウォッチマン(トム・モレロ)か?と思ったらあのイギー・ポップ御大。しかも曲がニューウェーヴ全盛時代のギター・バンド“モノクローム・セット”が、79年に発表したデビューシングルのB面というシブ〜いカバー。
でも、これがいいんだな。ギター・リフは原曲の趣を残しながらも、スカっぽい音処理と独特の声が原曲を解体してしまっているので、全く新しい曲に聴こえる。ツー・トーンの能天気さも蘇る。(このビデオも秀逸!)

他では、ノイジーなギターが実験的でありながらも、メロディがポップなM-2「Dirty Sheets(邦題:汚れたシーツの下で)」、元祖オルタナティヴと言えそうなM-7「Rocal Town(邦題:欲望ローカルタウン)」もクセになりそうな1曲。
メロディが“Jポップ”しているM-11「Superman」はこのアルバム一番のキャッチーなナンバー。M-13「Toe Jam(邦題:足指ダンシング)」は冒頭の「おバカ」ビデオに注目が集まるが、トーキング・ヘッズの後期を思わせる陽気なリズムとヘラヘラ・ヴォーカルがツボ。
そして、ラストはパブ・ロックの大御所ニック・ロウが76年に発表したデビューシングルA面のカバー「So It Goes」。原曲のシンプルなロックン・ロールの佇まいは微塵も感じさせず(笑)、オルガンが心地良い穏やかなナンバーで、このアルバムは幕を閉じる。

アルバムの仕掛け人はファットボーイ・スリムのノーマン・クック。
コンセプトは「楽しく、そしてユル〜く」。あの「全裸で大集合!」と言わんばかりの快楽主義的な写真を見せつけられると、「おちゃらけたコミック・アルバム?」と思いがちだが、ニューウェイヴ、パンク、ファンク、レゲエ、ヒップホップ、更にはバラードも有り!とバラエティに富んだクオリティの高い作品群が収録された本作は、決して散漫にならずにトータルなセンス溢れるアルバムになった。
これは単なるオムニバスの域を超えた、『宝』がぎっしり詰まった楽しくて素晴らしいアルバムだ。

因みに「構想40年、製作時間30年!?英国ブライトンより愛をこめて」とCD帯には書かれております。(OASI-Z)
 http://rock.princess.cc/step_blog/archive_88.htm 
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