インフィニティ・オン・ハイ−星月夜/フォール・アウト・ボーイ
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2007年2月25日 23時29分
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彼らのルックスを見て「これは、ちょっと・・・」と腰を引いてはいけません。このポップなメロディを聴けば、ヴィジュアルとのギャップに腰を抜かしてしまうはずだから・・・。
アメリカはシカゴ出身の4人組、フォール・アウト・ボーイのニュー・アルバム「インフィニティ・オン・ハイ〜星月夜」は通算3枚目(メジャー2作目)の作品。アメリカ本国で250万枚を売り上げた前作を遥かに超える傑作となりました。
同じアメリカ勢のマイ・ケミカル・ロマンスやパニック!アット・ザ・ディスコと比べ、ヴィジュアル的には数段落ちる(失礼)彼らが、コミカルなPVと卓越したポップ・センスとメロディを武器にブレイクしたのは、正にネット時代の象徴と言えるでしょう。
(購入する場合はちょっと高くても、PVやメイキング・ビデオが収録されたDVD付きの方をお薦めします。何せ私もDVDを観るまでは、ヴォーカルが帽子にメガネのモミアゲ君だとは思いもよらなかったんだから・・・)

1曲目の「スリラー」(マイケル・ジャクソンの同名曲とは関係なし)ではイントロにラッパーのジェイ・Zをフィーチュア。その熱いシャウトに導かれて重厚なギターとリズム隊が繰り広げるグルーヴ感で「つかみはOK」。
続く2曲目はファルセット・ヴォイスが妙に心地よいビートの効いたロック・チューン。
そして3曲目の1stシングル「アームズ・レース〜フォール・アウト・ボーイの頂上作戦 」はどこか懐かしい香りのするダンサブルなナンバー。曲の展開と後半の盛り上がり具合はマイ・ケミの「ウエルカム・トゥ・ザ・ブラック・パレード」を彷彿させます。とにかくサビのリフレインは一度聴いたら、耳から離れません。
この1〜3曲目の流れはとにかく完璧。それ以降もキャッチーなメロディと疾走感溢れるキラー・チューンがてんこ盛りの極上アルバムに仕上がりました。
アルバムジャケットの羊はフォール・アウト・ボーイそのものであり、素晴らしいメロディという翼を持ってロック・シーンに飛び出すところを表現しているのでしょう。
ジャンルとしては一応「オルタナティヴ&パンク」にカテゴライズされるようですが、R&B、メタル、ディスコ、AOR・・・など単一的な枠にはとてもはまリきれない要素を持った音楽性は彼らの引き出しの広さをうかがわせてくれます。唯一パンクらしいと言えるのは殆どの曲が3分台の長さで、その潔いところでしょうか。
2月下旬には昨年のサマーソニック以来の来日公演も決定し、日本での評価が一層高まるのは間違いないところです。
因みにタイトル名は、画家のゴッホが死の直前に弟のテオに宛てた手紙の一節「星たちとその高さの無限を感じること、そうすれば人生はほぼ魅惑的に映る」というものから引用したそうです。(OASI-Z)
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Vessels/WOLF&CUB
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2007年2月22日 23時32分
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残念ながらオーストラリアの(ロック)音楽事情に疎いもので、最近の話題・流行のバンド、楽曲らはまるで知りません!(AC/DCやイン・エクセス等あたりは聴いてますが・・・古っ!?汗)
そんな個人的なことはともかく、僅かここ数年でも英・米のメジャー・シーンに影響を及ぼし、その余波を当然受ける我が国ニッポン内に於いて、その”豪産”ロック・バンドの活躍にも、しっかりとアンテナを張らなくてはいけなくなって来てしまっているかの様な現在のロック・シーンの印象なのですが・・・。(相当、自分遅れてますっ!苦笑)
実はこの”WOLF&CUB”(ウルフ&カブ)なるバンドは、すでについ先日、来日公演を済ませてしまったという。
同じ豪産”Wolfmother”(ウルフマザー)のオープニング・アクトして起用され、大阪(心斎橋CLUB QUATTRO)、東京(LIQUID ROOM)でのライブだったそうです。(実は来日は’05年に続き2回目とのこと・・・以前は代官山のライブハウスで行われたという。)
本作がデビュー盤にも関わらず、知名度を上げるいきなりの大きなチャンスだったのではないでしょうか?
彼ら自身、ニッポンでの認知度はまだまだだと思われます。(自分が知らないだけ??)その”大きなチャンス”とはバンドよりな言葉だが、実際のパフォーマンスを会場で目に、耳にされた方々が羨ましく感じる!(実際観に行った人はこの”ウルフ&カブ”を知ってか?知らずか??・・・なんだろうけど)
羨ましいと思えるのは、やはり!聴こえて来る音に個性を感じ、そして面白い!!からなのです。
ツイン・ドラムでの4ピースで組まれた彼らの音は、基本?は”骨太”ハードロックにあって、時にラウド感あるアグレッシヴで、時にサイケ風味なダンサブルで、広い解釈を(多少無理に??)すればプログレッシヴ感もある(いわゆる煌びやかな”key色”はないが、エレクトロニカ的ある音像の深いせいがそうさせるのかも?)・・・とてもデビュー、そしてティーンエイジャーらの繰り出してくるサウンドとは思えず、その表現力に驚異すら感じました。
一聴して、単調に思える中でもかなり目まぐるしく展開するリズムパターンに、典型的なハード・ロック的のリフ展開の中を現代的エフェクト(いわば演出)を多用しつつ、攻めのある歪んだギター音とが混ざり合う楽曲には陶酔感すらあります。
その辺りが、ブルースやジャズからの影響はまるで感じない”骨太”ロックさと、デジタル感もある現代的解釈(オルタナティブ)のあるロックとの融合で、若いリスナーだけでなく、ロック通な方たちにも、一通りの満足感はあるかと・・・思います。
さらに本作のジャケが彼らのサウンドをものの見事に表現している様で、この表現も面白い。(深い意味は判りませんが〜)
ブリテッシュロック・ファンはもちろん!現代風で迫ってくるプログレ音(?)ファンにもお薦めしたい!(せいいち)
※ボートラ2曲あり
彼らの詳細は・・・アルバム解説にありますっ!(苦笑)
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The Monkey Puzzle / UFO
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2007年2月22日 01時50分
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 前作から2年ぶりというけっこう早いペースで仕上がった本作は、残念なことにドラムがジョン・ボーナムの息子、ジェイソンからアンディ・パーカーに戻っている。オリジナル・メンバーに戻ったんだから喜べって?いや、前作の素晴らしいドラミングを聞いてしまうと、なんとも迫力不足で・・・。
ちなみにジェイソン・ボーナムの方は、フォリナーへ加入してしまったようだ。
さて、内容の方だが、マイケル脱退後は、主にフィル・モッグ(vo)とヴィニー・ムーア(g)で曲をかいているようで、前作と同じ感じの曲が多い。ただし、そのサウンドの幅はかえって狭まってしまい、どれも似たり寄ったりの普通のハードロックになってしまった。
前作「You Are Here」では、かなり毛色の変わったソウルっぽいナンバーなどもやっていて、フィルがファルセットで唄うなど、チャレンジ精神も感じられたが、今回は1曲目と7曲目でかろうじて少し泥臭いナンバーを珍しくやっている以外、ほとんど新鮮さは感じられない。また曲メロもいまひとつといった印象。
では、全然ダメなのかというと、そういうわけでもない。何よりフィルの気迫は前にも増してすごいし(それが空回りしているようでもあるのだが)、ヴィニー・ムーアのギターが相変わらず巧く良い味を出している。もったいないよこれは・・・。
次作はぜひ外部ライターでも使って、よい曲をバンバンやって欲しいところだ。
そんなことで今作は、UFOのコア・ファンとヴィニー・ムーア・ファン向けのアルバムといえそうだ。(HINE)
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グレイト・ロック・クラシックス/ロッド・スチュワート
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2007年2月12日 23時11分
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はじめに断っておくが、この新譜紹介コーナーはお薦め盤だけを紹介するのではなく、時にはお薦めしないものも紹介する。
お薦めしないといっても、内容が悪いのかといえば、そうとも言えない。
名盤といわれるものは、何年も聞きつづけても尚その良さが変わらない普遍の魅力を持つものだが、今は良さが分からずとも、何年か経って良さがジワジワにじみ出るものもあるからだ。
そもそも出たばかりの新譜を評価するなんてことはできない。それゆえ、このコーナーはReviewではなくRevueなのだ。
まずはこのアルバムの曲名とオリジナル・アーティストを見て欲しい。
1. 雨を見たかい(C.C.R.)
2. 愛に狂って(エルヴィン・ビショップ)
3. スタンド・バイ・ユー(プリテンダーズ)
4. スティル・ザ・セイム(ボブ・シーガー)
5. イッツ・ア・ハートエイク(ボニー・タイラー)
6. デイ・アフター・デイ(バッド・フィンガー)
7. ミッシング・ユー(ジョン・ウェイト)
8. 父と子(キャット・スティーヴンス-)
9. 我が愛の至上(イーグルス)
10. イフ・ノット・フォー・ユー(ジョージ・ハリスン-<ボブ・ディラン>)
11. ラヴ・ハーツ(ナザレス)
12. 涙の想い出(ブレッド)
13. クレイジー・ラヴ(ヴァン・モリソン)
日本盤Bonus
14. レイ・ダウン・サリー(エリック・クラプトン)
はっきり言えば、現時点ではこのアルバムをお薦めすることは出来ない。
ロッドが近年シリーズ化している一連の「グレイト・アメリカン・ソングブック」がネタ切れして、苦し紛れに出したとも受け取れそうな内容となっている。
この曲目を見ると、あまりの懐かしさと「ロッド」という組み合わせに、ついつい手が出てしまったが、聞いてみて、ロッドの声量の落ち込み具合と、インナーにある老けた写真にがっかりしてしまった。もちろん、往年のロッドを知らない世代には、曲もいいし、癒し系アルバムとしてはよくできているのかもしれない。しかし、ポール・ロジャースとロック・ヴォーカリストNo.1の座を争っていた頃のロッドを知っている輩には、なんとも切ない気分にさせられる。
ロック・ヴォーカリストであるロッドがスタンダード曲を唄うのは、まだ新鮮だったが、ロック・ヴォーカリストがロックを唄っても、オリジナルを越えなければまったく新鮮みがない。せめて、昔KISSがロッドに唄ってもらおうと思って作った「ハードラック・ウーマン」でも唄っていた方がマシだったろう。
ただし、原曲を知らない若い世代の方やソフト・ロック好きには、悪くはないかもしれない。(HINE)
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Dreams: The Ultimate Corrs Collection/THE CORRS
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2007年2月5日 19時00分
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初春になると自然と聴きたくなるメロディがある。
寒くコモっていた様相から、暖かい光を浴びたくて開放的になる”春”にこそ聴きたい音楽。
それが、”THE CORRS”(コアーズ)の音楽♪
今回のベスト盤は、前回2001年(秋)に発表されたベスト盤とは、また一味違うようです。
最初のベスト盤発表から、オリジナル・アルバム2枚(”ボロウド・ヘヴン”、”ホーム”)をリリースしたのだけども、どちらもコアーズらしい新鮮味ある好盤。
特に、”ボロウド・ヘヴン”は多くのファンにも傑作と挙げられるほどの、そしてコアーズを代表する一枚にもなるかと・・・個人的にも思います。
その”ボロウド〜”と本人たちの原点回帰的(カヴァー曲)作風の”ホーム”の後に発表されたのが、本ベスト・アルバム。
同じベスト盤でも、本作を購入された方が遥かに”価値感”はある!と思います。
基本的には、収録楽曲どれも既発表な楽曲たちな訳だけど、前ベスト盤と全く同じ曲(音源)は4曲だけ!
その4曲もコアーズと言ったら絶対にハズせない!?大ヒット曲なので、本作とかぶっても致しかないところ。(許せるでしょ〜う?^^)
あとは、アンプラグド、リミックス仕様のようです。彼らのアンプラグドのライヴは定評(ボクが個人的に思ってだけ??)はあります。
本ベスト盤の一番の売りになるだろう?今回が初登場楽曲に、U2のボノと共演(アンドレアとボノとのデュエット)しライアン・アダムスの曲をカヴァー”ホエン・ザ・スターズ・ゴー・ブルー”、あのロン・ウッド(ストーンズ)と競演して、そのストーンズの名曲を歌っている”ルビー・チューズデイ”。
さらに、フランス・ポップス界でのスーパースター!らしい・・・ローラン・ヴールズィと共演した、”夢を見るだけ”。(エヴァリー・ブラザーズの大ヒット曲のカヴァー。
既発楽曲ですが、同郷でもあってアイリッシュ系の大御所の”チーフタンズ”の曲も競演奏されています。(もろアイリッシュなサウンドが心地良いです♪)
コアーズって名前だけは何となく聞いた・・・??売れ線のポップなだけでしょ??何て、思っている方がたにはどうぞこのベスト盤をお薦めしたい!(オリジナル・アルバムはどれもお薦めデスよ)
これまでの大ヒット曲以外にも、”当然”彼(彼女)らの魅力が充分あるわけで、ベスト盤にしてもファンが喜ぶ(だろう?ボクはかなり嬉しい♪)ベストな選曲たち。
広い空にポツン、ポツンとした白い雲の中、暖かい陽気で気持ち穏やかに〜、そしてコアーズ聴いて”前向き”になれる!
コアーズっていいなぁ〜♪アイルランドに行きたくなる〜(苦笑)
全20曲収録完全ベスト盤!(せいいち)
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