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マナフォン / デイヴィッド・シルヴィアン
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2009年9月30日 11時06分
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僕は多くのミュージシャン、ことヴォーカリストを崇拝しているが、そのなかでもシルヴィアンはダントツだ。アイドルだった時代を振り返るもよし、孤高のアーティストとなった今もよし。
アイドルだったことの反動から、シルヴィアンは近年ものすごくペシミスティックに、音楽というよりも芸術を追求している。インスタレーション作品を度々リリースしたり、前作『ブレミッシュ』は即興音楽に歌を乗せるという妙技に成功した。
そして6年を経て、もやは仙人のような白髭姿になったシルヴィアンがリリースしたのが、『マナフォン』だ。
本作は『ブレミッシュ』のノウハウを活かし、似たような路線で製作されている。だから以前のシルヴィンのアルバムのような「ポップ・アルバム」を求めてはまったく楽しめないだろう。逆に言えば、前作が好みであれば間違いなく楽しめる。
だが、技術面ではまた前作とは違っている。デレク・ベイリーの即興ギターが話題となった前作だが、今作にはギターの音色は前作ほどなく、電子音楽というか完全に音響派な音作り。前作から続いて参加しているフェネスが大いに活躍している。ベイリーが逝去してしまったからそういう路線になったのかも知れず、存命だったらまた起用していたのかも。
生楽器を余り使っていないためか、ひどく空間的に感じられる。それでもシルヴィアンが朗読するように歌っているので、アンビエントにはならない。そのシルヴィアンのヴォーカルが、近年の彼らしくて実にいい。まるで悟っちゃったかのようだ。前作よりもヴォーカルの度合いは強いだろう。
デジタルで空間的ながら、血の通った鬱蒼としたアルバム。
これはジャケのイメージにめちゃくちゃフィットする。そう、このアルバムを聴きたい場所は、森だ。神秘を思いながら、大音量ではなく、かろうじて聞き取れるぐらいの音量で聴いてみたい。
つまりは、実に想像力を掻き立てる音世界なのだ。空間的に流してもいいし、ヴォーカルを楽しんでもいい。
僕はこのアルバムを、睡眠時に流している。いっさい主張しない音とヴォーカルは空間をやわらかく満たし、快い眠りにいざなってくれる。
特に今の秋という季節にはかなり合う。じっくり聴いても、流してもいい。
ゲストは相変わらず渋く豪華なメンツだが、中でも嬉しかったのは大友良英の参加。その手の音が好きなら音を想像できるだろうし、お薦めできる。
これで秋にヘヴィ・ローテーションするアルバムが決まった。それも師と仰ぐシルヴィアンの作品で。こんなに嬉しいことはない。
心地よい秋になりそうだ。
なお、国内盤はボーナス1曲追加収録。さらに海外盤でDVD付きの限定仕様も出ている……が、死ぬほど高い。買うかどうか迷っている。
(KEN)
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コメント(2) / トラックバック(0)|オルタナティヴ|
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コメント一覧
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投稿者 : OASI-Z
このアルバム・ジャケットからして、デヴィッド・シルヴィアンの世界に誘われる感じですね。
デヴィッド・シルヴィアン、ブライアン・フェリー、トム・ヴァーレイン・・・。
彼らのヴォーカルにハマッた人は、まるで魔法にかけられたかのように、その心地よい深みから、なかなか抜け出せませんね。
ジャパン時代から30年以上が経過しても、自分のスタイル(美学)を追求している姿には、本当に頭が下がります。
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| 2009/10/05 18:13 |
投稿者 : KEN
OASI-Zさん、どうもどうも。
そういうわけで「秋に合うアルバム」が秋に出てしまったのです。
掲示板の話題から繋がってタイムリーですな。
「芸術の秋」「読書の秋」にはものすごくフィットします。
でも、その直後にハルモニア&イーノが出て、今はそれを寝る時に聴いているという事実……。
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| 2009/10/06 23:05 |
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