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ピルグリムス・プログレス / クーラ・シェイカー




 申し訳ねえ。
 おいら、どうしたってクーラ・シェイカーが好きなのです。
 彼らの持ち味がグルーヴとかインドにあり、と今でも思っている古参の方、ごめんなさい。賛同しつつも、それは賛同しかねます。
 というのも、復活第2作の『ピルグリムズ・プログレス』が、本当にいい「作品」だからです。
 今までのクーラは、「ポーズ」的にインド要素を使っていました。それに限界を感じたのが、奇しくも復活作だったのです。なので、彼らはそれを醸し出しつつ無難な作品を作り、様子を見てから、急に方向転換しました。
 というのも、本作はすべからく「キリスト教的」なのです。
 タイトルになっているのがイギリスの文学書なのもあり、いきなり風呂敷を広げています。そこへきて、以前のような「『ヘイ・デュード』で盛り上がれればいいんだろう?」といった感じはなく、全体を通して感じてくれ、というアルバムです。
 つまり1曲1曲の魅力にはやや欠ける面はありますが、その分、全体の完成度というか統一感がすばらしいです。思えば今までのクーラは多国籍軍のような楽しみがあったのに対し、今作はそうじゃありません。全体が調和しているのです。
 なので、以前のようにグルーヴ重視のファンでありましたらば、本作はノレないことをご承知ください。何せ、殆どの曲がアコースティック重視ですので。
 そのうえで、『ホワイト・アルバム』あたりのビートルズが好きな方ならば、聴いてみて損はしないだろうとも申し上げておきます。
 つまりね、本作は「ファンのあいだでできたクーラ・シェイカー像を楽しむ」作品ではなく、「ファンとともに成長した現在のクーラ・シェイカーを楽しむ」作品であるのです。
 もし仮に、あなたがクーラ全盛期のシングル乱発を危惧しているのなら、本作は2枚組の「輸入豪華盤」を買いさえすれば音源的には事足りるとも申しておきましょう。
 私は愚かながら、同世代的に過ごしてきた彼らが、どうしたっていとおしいのです。純粋な評価とは違いますが、成長したなあ、と思うことしきりなのです。
 そういった感慨のあります方ならば、お酒をかたむけつつ、ああクリスピアンはいまでもイケメンだなぁ、と思えるでしょう。
 そんなファンとともに成長できるバンドなど、なかなかないではありませんか。
 私は、音楽生命果てるまでクーラとともにいることを誓います。
 ジョージの血を生き継ぎ、ビートルズを意識しつつ、古参ファンの期待にも応えながら、新世代に反応しているのですから! (KEN)
  
コメント(3) / トラックバック(0)プログレッシヴ・ロック
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投稿者 : しゅう
はじめまして。
「ポーズ的」という言葉がどういった意味で使われてるのかはっきり分からないんで何とも言えないですし、あくまで想像の域ですが、当時のインタビューやライブ等から察するに、初期のクーラって「よーし60〜70年代のロックンロールをルーツに持つ他のバンドと棲み分けを図ろうぜ! 小手先の差異じゃなくて、まだ誰も不可侵な意表突いたのがいいな… んーインドなんかいいんじゃね!?」ってゆう策略だか下心だかの元で、あんな感じになってたんじゃないと思うんです。
なんてゆうか本気でカブれてましたよ(笑)
この王子なに言ってんの?な発言多かったです(笑)

限界を感じたというよりは、やっとこさそのモードがひとまず終わったって感じじゃないでしょうかね?

ファンが勝手に持つクーラ像みたいなのもちょっと違うかなぁ…思いっきりあんたらが植え付けたんだよ!みたいな(笑)
どうやら最近の作品聴いてもインドかぶれはかなり薄まってるみたいですけど、最初にあまりに強烈なものを提示してしまった以上、抜群に地力があるとはいえ、もしこれからも新たなモードに進むとすれば、新旧のファン両方を納得させるのはかなり難しい命題でしょうね。
2010/08/07 10:16
投稿者 : KEN
しゅうさん、コメントありがとうございます。

作風の変化とかインド音楽への姿勢を詳しく書くと、膨大な資料が必要だし原稿用紙50枚ぐらいになってしまうのでさらりと書いてしまいましたが、言えるのは彼らのルーツとか根幹じゃないってことなんですよ。
それを武器にして、他とは違う感を出して注目されたので、自然それを全面に出していった。
でもそれは『ストレンジフォーク』までだったかな、と。
それが余りにも「今まで通りでやったら中途半端でした」ってなってしまって、だからこそ、今作はまったく方向性が変わって面白い、ファンとして嬉しい、それだけのことでございます。
それで、今までの音楽性を「カブれてたポーズのようなもの」と言ってみたのです。
だって、本当のインド音楽ってあんなじゃないもの(笑)。
クーラのインド音楽的要素は、それこそロック・バンドがクラシックのフレーズを引用するような感覚ですかね。結局メロディと雰囲気。ほんとのほんとにはカブれられなかったんだな、という。
それがまた、いいんですけどね。
大好きなんですけどね。
2010/08/07 12:51
投稿者 : しゅう
あんなんじゃないですねインド音楽(笑)
そういう意図で使ってらっしゃったなら納得です。

手法は古典的とはいえ、今聴いても十二分にかっこいい「hey dude」や「grateful〜」を作れるのに、「ごぉびぃんだじゃいよじゃいよ〜」なんて歌って悪い意味で面白がられてたのは個人的に勿体無いなぁと思ってました。

まぁその要素が無いとここまでの存在になってたかはわかりませんが、曲の質の高さだけでライバルと差別化することはできたはずなんですよね。曲の出来の差が激しい故に、コレってゆうアルバムが無いので、絶対そうだとは言えないんですけど。

でもその要素がなければ単なるone of themになってたかもしれないし…と実はなかなか難しい問題みたいです(笑)
2010/08/07 22:10
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