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Les & Mary (Les Paul & Mary Ford) 1955年 Capitol |
1916年アメリカのウィスコンシン州生まれ。彼は、少年時代からハーモニカやギターを弾き出す反面、ラジオを組み立てたり機械をいじるのが好きで、28年には既にギター用ピックアップを完成させていた。 1936年にはレコードデビューを果たすが、当初はスタジオ・ミュージシャンとして、ヒルビリー・ミュージックを主に演奏していたようだ。 その後40年代には、ジャズに転身し、その驚異的なギターテクニックでジャズ界に衝撃を与える。 また、41年にはピックアップ付きソリッドギターも完成させ、ギブソン社に持ち込むのだが、取り合ってもらえず、日の目を見るのはフェンダー社がブロードキャスターを発表した後のことになる。 フェンダー社発表のエレクトリック・ギターが好評なのを見てあわてたギブソン社は、レス・ポールと共同開発でエレクトリック・ギターを製作し、52年ついに“レスポール・モデル”を発表。これが今もギブソンの顔的存在の名器として名高いレスポールの原型となっている。(当時はシングルコイルだった) 50年代に入ると、カントリー・シンガーのメリー・フォードと結婚し、レス&メリーとしてポップス界で「世界は日の出を待っている」「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」「モッキン・バード・ヒル」「ヴァイア・コン・ディオス」とミリオンヒットを連発。また、マルティプル・レコーディングと呼んだ多重録音技術も彼が初めて考案し話題になった。その後も表舞台には現れないものの、地道な活動をつづけ、今も尚現役で活躍中。 彼の生み出す音楽性は、その経歴からも分かる通り、カントリー、ジャズ、ポップ、ブルース、ロックなど実に多彩で、ポール・マカートニーやジミー・ペイジ、ジェフ・ベックら多くのアーチスト達の憧れでもあった。実際にレス・ポールのインストゥルメンタル・ナンバーを聞いてみると、ジェフ・ベックにはかなりの影響を与えていて、ベックお得意のフレーズは、ほとんどここで聞くことができる。 レス・ポールは、そのロック界に与えた影響と功績をたたえられ、ロックンロール殿堂入りも果たしている。(HINE) |
栄光のビッグ・ネーム、世界は日の出を待っている(Les Paul & Mary Ford) Capitoi/東芝 CP-8648 |