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![]() Tuesday Night Music Club A&M/ユニバーサル |
![]() Sheryl Crow A&M/ユニバーサル |
![]() The Globe Sessions A&M/ユニバーサル |
![]() Live from Central Park A&M/ユニバーサル |
![]() C'mon, C'mon A&M/ユニバーサル |
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ディスコ・グラフィー 1993年 Tuesday Night Music Club(チューズデイ・ナイト・ミュージック・クラブ)*気のあった仲間と作り上げたデビュー作にして名盤 |
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1. アイ・ノウ・ホワイ I Know Why <日本盤Bonus Track> |
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| シェリル・クロウはこれまで数々の大ヒット曲を放ち、グラミー賞の常連とまで呼ばれるほど業界内での信任も厚いアーティストだが、こと彼女の「アルバム」となると、チューズデイ・ナイト・ミュージック・クラブの力を借りたファースト以外どうも名盤と呼べるものはなかった気がする。セカンド、サード・アルバムあたりは実験的な曲も多く、前作「カモン・カモン」では捨て曲とは言わないまでも地味な曲が後半に集中し、アルバム前半だけがヘヴィーローテーションで聞かれるアルバムになってしまった。これには曲順のまずさもあったかもしれない。ノリの良い曲と地味な曲をいっしょにすると、どうしてもノリの良い方に耳が傾いて、地味な曲は聴かなくなるからだ。しかしながら、地味な曲にも名曲があり、むしろ永遠に歌い継がれる名曲というのは、心に染み入るような地味な曲だったりする。 シェリル自身もそういったことを感じ取っていたのだろう。今回の「ワイルドフラワー」では、一聴しただけでは地味とも受け取られかねない曲ばかりが並ぶ。唯一のアップ・テンポ・ナンバー「リヴ・イット・アップ」も、トップにもってくることなく、後半8曲目に収められているのは意図的に「聴かせるアルバム」を意識してのことだろう。 アルバムのヒット性だけを考えれば、当然前作のように前半に集中してノリの良い曲をもってくるはずだが、今回はあえてそうしていないようだ。シェリル自身の言葉を借りれば、「昔(60〜70年代)の偉大なアーティストたちが残したようなアルバムを作りたかった」と言うように、今回は自分自身で名盤作りにチャレンジしている。 それにしてもなんという自信だろう。アルバム発売間隔の長いシェリルのような場合、1作ハズせば忘れ去られ、一線から退いててしまうのは必至。名盤をつくるぞ!と宣言して本当に作ってしまうなど、今のシェリルにしかできない芸当だ。 それでは各曲を簡単に順を追ってみていこう。まず1曲目だが、フォークっぽいアコースティック・ギターで始まり、シェリルが気だるそうな声で静かに歌い出す。地味だがポップなメロディーも持っていて覚えやすい曲でもある。途中にはクリーム時代のエリック・クラプトンを想わせるような激しくブルースっぽいギター・ソロが感動的に入り最高にかっこいい!これは意識してのものだろうか。 2曲目もギターの音色はそのままに、サウンド的には1曲目の後半からの延長線上にあるような曲で、スローだが激しく訴えかけてくる。 3曲目は冒頭からジョージ・ハリスン風のスライド・ギターが入り、思わずニヤリとさせられる。シェリルの言っている「昔の偉大なアーティスト」とは、ボブ・ディランやジョージ・ハリスン、エリック・クラプトンといったような人を指しているのだと確信できたからだ。リズム・カッティング用のギターもレズリー・スピーカー(回転しながら音のトレモロ効果やビブラート効果を出す60年代に流行ったスピーカー)風のエフェクターを通してレトロ風味満点。この曲はファースト・シングルにも選ばれているが、なんでこんな地味な曲が・・・という感じは否めない。当然全米64位止まり。 4曲目、なにやらインドの打楽器のような音で始まり、そのままドラムが入らずアコースティック・ギターとシンセサイザーによる効果音だけのシンプルなサウンドで構成されている。インド風の打楽器もどうやらプログラミングによるもののようだ。アラニス・モリセットなどもよくこういったサウンドを好んでやっているが、それを真似たわけではなく、ジョージ・ハリスンからの影響が強いのだろう。 次の5曲目は、アルバム・タイトルにもなっている通り、シェリルが一番気に入っている曲らしい。「世の中にうんざりして拗ねるのではなく、野生の草花のように純真でいて希望を持たなければならないのよ」とシェリルが語るように、誰もが心の中に持つ一輪の花のような、純真できれいなものの事を歌った曲。囁くように歌うシェリルのヴォーカルも印象的。 6曲目、やっといつものシェリルとジェフ・トロットのコンビらしいポップで軽快なナンバーが入る。もはやこの手のサウンドはお手のもので、サウンド・アレンジにもまったくスキがない。 7曲目は宗教や神について歌っている曲で、サウンドもそれに合わせて少し重苦しい。注目はストリングスの大胆な導入で、このすばらしいアレンジは、あの「ベック」の父親であるデイヴィッド・キャンベルによるものだ。 中だるみしそうな8曲目、ここで初めてアップ・テンポなナンバーが、前の曲と音を重ねながらメドレー風に入ってくる。この入り方はかなりカッコイイ!メロディーもキャッチーで、シングルにしてもおかしくない曲だが、今作のアルバムの中ではアクセントとして考えているのだろう。 そして、最初にこのアルバムを聞いて一番名曲だと思ったのが次の9曲目だ。地味なバラードながらも綺麗なメロディーで、サビの部分は一度聞いたら忘れない。厳しい世間の現実に対し「知りたくない」と悲痛の声で叫ぶシェリルの声がなんとも印象的だ。実際この曲は、アルバム発売当初、ラジオなどでよくかかっていたほど皆が名曲だと認める曲なのだが、シングル・カットはしていない。 その曲よりもっと地味な次の10曲目「オールウェイズ・オン・ユア・サイド」が2曲目のシングル・カットとなっているが、全米チャートでは33位までしか上昇していない。かなり地味な曲なので、シングル向きではないのだが、あえてシェリルがこの曲をと希望したのだろうか!? 彼女はこの曲に特に思い入れがあるようで、翌年になってからスティングとのデュエットで、もう1度レコーディングし直している。僕自身、それを聞いてやっと「あ〜、これは確かにすごい名曲だ!」と改めて分かったしだいだ。そのスティングとのデュエット・ヴァージョンの効果があったのか、アルバム自体は発売当初の2005年に全米2位を記録したあと、2006年にもう1度全米2位を記録するほどのロングラン・ヒットとなっている。 アルバム・ラストを飾るのは、これまた地味なピアノ弾き語りから始まる静かな曲。カントリー風なスライド・ギターとアコースティック・ギターのアルペジオが美しい。後半はデイヴィッド・キャンベルによるストリングス・アレンジ冴えわたり、余韻を残しつつ静かに終わってゆく。完璧だ。 この後、ボーナストラックが3曲分収録されているが、いずれもどうでもいいアコースティック・ヴァージョン。本来なら彼女としては入れたくなかったに違いないが、おそらくレコード会社の要望から入れざるを得なかったのだろう。 曲の良さ、演奏力、アレンジ、曲順、11曲という収録曲の数・・・すべてが完璧で文句のつけようがない。現代まれに見る名盤だ。 (HINE) |
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