FOGHAT フォガット

(HINE)2006.4



Foghat
Bearsville

Foghat(Rock & Roll)
Bearsville

Energized
Bearsville

Rock And Roll Outlaws
Bearsville

Night Shift
Bearsville

Foghat Live
Bearsville

Stone Blue
Bearsville

DISCOGRAPHY

1972年 Foghat(フォガット)
1973年 Foghat<Rock & Roll>
1974年 Energized(電撃のフォガット)
1974年 Rock And Roll Outlaws(ロックン・ロール・アウトロー)
1975年 Fool For The City(フール・フォー・ザ・シティ)
1976年 Night Shift(ナイト・シフト)
1977年 Foghat Live(フォガット・ライブ)
1978年 Stone Blue(ストーン・ブルー)
1979年 Boogie Motel(ブギー・モーテル)
1979年 Before Foghat Days
1980年 Tight Shoes
1981年 Girls Chat & Boys To Bounce
1982年 In The Mood For Something Rude (ラヴ・ラスラー)
1983年 Zig-Zag Walk
1989年 The Best Of Foghat
1992年 The Best of Foghat, Vol. 2
1994年 Return Of The Boogie Man
1997年 Slow Ride & Other Hits
1998年 Road Cases(ロード・ケイシズ)
1999年 King Biscuit Flower Hour Presents(キング・ビスケット・ライブ)
2000年 Anthology
2000年 Live(ライブ)
2001年 Hits You Remember: Live
2003年 Decades Live
2003年 From the Front Row Live
2003年 Family Joules
2004年 Eight Days on the Road


Boogie Motel
Bearsville

Tight Shoes
Bearsville

Girls Chat & Boys To Bounce
Bearsville

In The Mood For Something Rude
Bearsville

Zig-Zag Walk
Bearsville

Return Of The Boogie Man
Atlantic

Family Joules
Besh


★★★名盤PICK UP★★★

フール・フォー・ザ・シティ
Fool For The City
フォガット
Foghat


1975年 Bearsville/ビクター
1. フール・フォー・ザ・シティ Fool for the City

2. マイ・ベイブ My Babe

3. スロウ・ライド Slow Ride

4. テラプレイン・ブルース Terraplane Blues

5. セイヴ・ユア・ラヴィング Save Your Loving (For Me)

6. ドライヴ・ミー・ホーム Drive Me Home

7. テイク・イット・オア・リーヴ・イット Take It or Leave It


★ボーナストラック
8. スロウ・ライド (シングル・エディット)
 ハードブギー東西の横綱といえばステイタス・クオーとこのフォガット。共にイギリス人バンドでハードブギーを得意としながらも、そのサウンド・アプローチは大きく異なる。ステイタス・クオーがブリティッシュ・トラッドの香りを漂わせながらも繊細でカッチリした都会的な音であるのに対し、フォガットのサウンドは、まるでアメリカン・バンドと間違えてしまいそうなほど、アメリカのルーツ・ロックに根ざした田舎の音なのである。ちょっとルーズでダイナミック、ブルースの香りがプンプンする音なのだ。
 本作もフォガットのそうした特徴が如実に表れたアルバムで、ステイタス・クオーの最高傑作「オン・ザ・レベル」とは双璧をなす名盤だ。共通点といえば、共にゴキゲンなノリノリ・アルバムだというだけで、同じハード・ブギーでも180度方向が違う。
 まずはジャケットを見ていただきたい。比較ばかりしていて申し訳ないが、ここでもすでに両者の特徴がはっきりと表れているから面白い。ステイタス・クオーの「オン・ザ・レベル」は、数々の名カヴァー・アートを手がけるキーフによる当時としてはスタイリッシュで洗練されたジャケット。一方本作「フール・フォー・ザ・シティ」の方は、どこかのおっさんが、道のど真ん中にあるマンホールに釣り糸を垂れて、のんびり釣りを楽しんでいるといった風。決してメンバー本人たちが田舎ものだという意味ではないが、目指しているサウンドがそういったアメリカの伝統的な音、例えばサザン・ロックやカントリー・ロックのような土臭い音を取り入れたハード・サウンドだからだろう。
 また、彼らは元在籍していたサヴォイブラウン時代から最も得意とするのがブルースであり、それもブリティッシュ・ブルースではなく、本場アメリカの土着民族音楽的なアプローチをしていた。その後フォガットとして独立してからも、そのアプローチ姿勢には変わりがなく、一貫してそういったアメリカ的サウンドを貫き通している。そうしたイメージにもピッタリとハマったジャケットといえるだろう。
 前置きが長くなったが、本作の中身はそれこそ彼らが目指してきたサウンドの集大成でもあり、それに少しポップさを加え、より広い層へもアピールできる内容に仕上がっている。結果大ヒットし、彼らの出世作ともなった。
 まずは、アルバム・タイトルともなっている1曲目、豪快なノリノリ・ハード・ブギーだ。まるでアメリカン・バンドのように明るくあっけらかんとした曲でもある。間奏部分でのベースはファンキー調で、さらに曲を盛り上げる。
 つづく「マイ・ベイブ」は、リズム・ギターこそステイタス・クオー風だが、そこはやはりフォガット流の味のあるスライド・ギターが途中から入り、ギター・ソロはデュアン・オールマン直系のような豪快さがある。
 フォガットとして異色なのは次の「スロウ・ライド」。イントロは粘っこいハードなスライド・ギターでいつもどおりなのだが、ベース・ラインがやけにファンキー。こういうベース・アプローチは「フール・フォー・ザ・シティー」でも一部聞き取れるが、これまでにない新境地といってもよいだろう。8分以上にもなる大作でもあるが、途中からテンポを速め飽きさせることもない。
 4曲目は得意のブルース・ナンバー。粘っこく絡みつくようなスライド・ギターとルーズなテンポで、ベタベタのサザン・ロック・バンドかと間違えてしまいそうなほどだ。
 5曲目「セイヴ・ユア・ラヴィング」はハード・ポップ風。しかし、この曲も演奏がラフでシンプルなところが、いかにもフォガットらしい。
 そして、フォガットでどの曲が1番好きかと聞かれれば、即座に答えるであろう(個人的な)彼らのイメージ・ソング「ドライヴ・ミー・ホーム」がつづいて6曲目に入る。ハード・ドライヴィン・サウンドとでも表現すればよいのだろうか。とにかくゴキゲンなノリノリ・ハード・ブギー・サウンドだ。ところがこの曲、シングル・カットさえしていないようで、当然ヒットもしていない。ちなみに本作からシングル・カットされヒットしたのは、まったくポップではない「スロウ・ライド」で、なんと全米20位の大ヒットを記録している。こんなツー好みのサウンドがヒットしてしまうとは、アメリカ人の耳が相当成熟していたのか、もしくは日本人の感性とまったく違うのか、理解に苦しむ。ついでに記しておくと、セカンド・シングルは「フール・フォー・ザ・シティ」で、こちらは全米45位。こちらの方がよっぽどヒット性の高い曲だと思うのだが・・・??。
 最後は、一転して唯一のスローバラード。ちょっとイーグルスあたりがやりそうなウエスト・コースト・サウンドっぽい。こういうアコースティックな曲をやらせても彼らはベテラン・バンドらしく、コーラスも上手いし、演奏もそつなくこなしてしまう。なかなかの名曲だ。
 付け加えておくと、本作はアルバム・チャートとしては全米23位まで上昇し、彼らのアルバム中最高位となっている。(HINE)