Rock Princess

Rage Against the Machine


Written by Funky Renegade



レイジ・アゲィンスト・ザ・マシーン

ヴォーカル: ザック・デ・ラ.ロッチャ
ギター:トム・モレロ
ベース:ティム・カマフォード(y.tim.k, TIM.COM, Timmy C 等の別名を使っていた)
ドラム:ブラッド・ウィルク






左から: Tom, Brad, Zack and Tim




レイジ・アゲィンスト・ザ・マシーン(以下、レイジ)は90年代を代表するバンドで、パンクやへヴィーロックとヒップホップを融合させたバンドです。音楽を純粋に楽しむために演奏するバンドが多い中、レイジは常に自分たちの音楽性を追求しつつも社会の不正や検閲、暴力に対する抵抗、反戦などの政治理念を表に出し続けました。レイジの歌詞はZack de la Rochaの作で、彼の思想を(超がつくほど)色濃くあらわしています。下にWithout A Faceと言う曲の歌詞の一例を載せました(英語なので、翻訳文を読みたい方はCDの歌詞カードを読んでください)。全文はアメリカのファンサイトなどで見つけることができますので、興味がありましたらhttp://www.musicfanclubs.org/rage/lyrics.htmhttp://www.ratm.net/lyrics.html などで見てください。
uh, Got no card so I go no soul, life is prison
no parole, no control
Tha jura got my number on a wire tap,
‘Cause I jack for similac, fuck a Cadillac
Survive one motive no hope ‘cause very sidewalk
I walk is like a tightrope
Yes I know my deadline sire
It’s when my life expires
So I’m sending paper south under the barbed wire
Tha mother of my child will lose her mind
at my grave…




レイジの曲を聴いたことがある人ならすでに承知のことだと思いますが、Zackは歌いません(でも、最後のアルバムRenegadesの中で少し歌っています)。その代わりに政治的な内容の歌詞を激しいラップで叫び続けます。そして彼の声はバンドのどこまでも重たくリズミカルな音楽の上を自由に飛び跳ねていきます。このバンドの音楽もその歌詞に負けず、とても個性的です。特にギターのトムはギターエフェクトをこれでもかと使いまくって実験的で奇怪な音(ヘリコプターとかサイレン、レコードのスクラッチ音など:Fistfull of Steelなどで顕著)を演奏に混ぜ込んでいます。正統派な演奏じゃない為に誤解されたり批判されたりもしましたが、レイジやオーディオスレーブでの演奏を聞けば、トム・モレロがすばらしい演奏家であることは誰の目にも明らかで、疑いの余地がないことがわかるはずです。





レイジを通してトム・モレロとザックが訴え続けてきたことは彼らの政治スタンスと問題意識を反映していたのですが、2000年にザックがレイジを去ることを発表してレイジが解散したことを機に、二人は別の道を進むことになりました。とはいえ、二人とも信念をもって社会運動などの活動に今も積極的に参加しています。ザックは現在ソロアルバムの製作を続けているそうですが(この状態が何年間か続いています。。。)以前に比べるとザックの姿を音楽シーンで見かけることは少なくなりました。しかし、アメリカの同時多発テロやその後のアメリカのイラク侵攻がきっかけとなり、ザックが沈黙を破り(やっと)新曲March of Deathを発表しました。ネット上だけの発表なので本当に興味のある人にしか聞いてもらえなかったかもしれませんが、これを読んでぜひ聞きたいと思った人はhttp://www.killradio.org/proginfo.php?id=61からダウンロードして聞いてください。先ほども書いたようにザックはいまだにソロアルバムを発表していませんが、彼が自信を持って発表できる曲を作るために試行錯誤していると信じています:ファンとして私たちができることは、唯一、ザックを信じて待つだけです。。。
しかし、2007年レイジ再結成と言うビッグニュースが世界をめぐり(その直前に、ザックとトムが一緒にいるところを目撃されたりしてのですが)、Audioslaveは解散となりました。2007年から2008年にかけて、再結成ライブをアメリカはもとより、世界で行いました。今は、再結成後初のアルバムを待つのみです。








2007年以前、ザックと比べるとトム・モレロの活動は目覚しいばかりでした。彼はAudioslave(ザックを除くレイジのメンバーとSoundgardenのChris Cornellが結成したバンドで、政治的なメッセージはなし)で演奏していました。しかし、The Nightwatchman名義でソロ活動(アコースティックギターでメッセージ性の強い歌詞のフォークソングを歌っています。。。ただ、歌はあまり得意ではないのでは。。。)も続けています。また、音楽や彼の政治活動を通して若者が様々な社会問題について知り、問題意識をもち、社会を変えてゆけるように啓発していくことを目的にしたAxis of Justiceという団体をSystem of A Downのサージ・タンキアンと立ち上げています。Axis of Justice としてのトムとサージがラジオパーソナリティーをつとめる番組を地元のラジオ局が提供しています:しかもネットで聴けるので、ダウンロードして聞いてみてください。社会問題に興味があってもなくても、レイジやサウンドガーデンをはじめ、トムとサージ推薦の音楽がずっと流れているので、一聴の価値はあると思います(http://www.axisofjustice.org/radio.htm)。






Rage Against The Machine 結成に至るまでの人生/特徴

Zack de la Rocha: 1970年1月12日カルフォルニアで生まれ。母親は人類学博士。父親はLos Fourと呼ばれるヒスパニック系社会派アーティスト集団の一人で、メキシコの農民を描いた壁画などで有名。Zackが幼いころに両親が離婚し父親の元でしばらく暮らしていましたが、父親が精神的に不安定になったため(熱狂的なキリスト教徒で、自分の作品が教義で禁止されている「偶像を作るべからず」に反していることで深く悩んだ)、Irvineにいる母親の元で暮らすようになり、このことがZackの人生を大きく変えることになった。白人以外の人があまりすまない町に移ったZackを待ち受けていたのは学校での差別やいじめで、社会に対する不満や怒りはこの時期に形成されたものが土台になっているといえる。しかし、Zackはこの時期に将来につながる人物、Tim Commerford(小学校の同級生)とも出会っています。その後、パンク・ロック・HipHopを敬愛する高校生のZackは、Hardstanceと言うバンドを結成して、自分の怒りや不満をぶちまけていました。1991年には、Inside Outと言うバンドのボーカルとして、"No Spiritual Surrender"というレコードも出しましたが、Inside Outの解散後しばらくは鳴かず飛ばずの時期が続きます。しかしその後、Zackのライブをたまたま聞いていたTom Morelloと出会い、彼の人生は大きく変わります。Tom の知り合いのドラマー、Brad WilkとZackの幼馴染のTim Commerfordとそれぞれ連絡を取って、RAGE AGAINST THE MACHINEというバンドを結成します。ちなみにこの名前は、Inside OutでZackが歌っていた曲のタイトルです。また、Inside Out の次のAlbumのタイトルにもする予定だったのですが、解散してしまったのでZackの新しいバンドの名前に使われることになりました(この為、レイジ〜の名前に愛着があり、残った3人が新生レイジとして活動することに抵抗があったようです)。Zackはあるインタビューの中で、自分が音楽に求めるものはアフリカ・バンバータにソニックユースをたしたようなものだったが、Tomはジミー・ペイジやブラックサバスのようなものを求めていて、二人が共同で作り出してきた音楽はマンネリ化してきていたと述べていました。Zackのレイジ脱退の裏には、ほかのメンバーとの音楽に対する考え方の違いも大きな原因だったといえるでしょう。本来、Zackはすべての楽器を弾きこなせるマルチな人で、もっと自由に自分の音楽と意見を追及していきたいと願っての脱退だったと私は捉えています。現在、Zackはメキシコの音楽Jarochoの演奏家たちと行動を共にしています。今のところ歌は歌っていないようですが、Son De Maderaというグループと親交があり、彼らのPVにギター演奏家の1人として参加しています。2005年10月にはZackも登場するミニコンサートを開きました。しばらく、Son de Maderaと一緒に活動をしていましたが、2007年、レイジ再結成とともソロ活動を休止。

Tom Morello:1964年5月30日ニューヨーク生まれ。母親のメアリーは学校の先生、父親はケニヤのマウマウゲリラ(英国からの独立を求めたケニアの反政府ゲリラ)のメンバーで、その後は国連のケニヤ代表になったそうです。幼いころから母親と二人暮らしだったTomは、Zack同様、白人多数の町に住んでいた為に差別を受け、学校でもいじめられていました。Tomによると、学校の遊び場で"Nigger"と呼ばれた夜には、母親のメアリーがキング牧師やMalcom XについてTomに講義し、差別には立ち向かうことの大切さを教えていたそうです。その日以来、彼は一度も差別的発言を容認することはなく、断固とした態度で不正や差別に立ち向かってきました。高校生のころSex Pistolsに大きな影響を受け、ギターを演奏するようになります。その後ハーバード大学で学び優秀な成績で卒業しますが、ギターへの情熱は失うことはありませんでした。ギターの先生をしたり、カルフォルニア州議員の秘書をしたりしながらバンド活動を続け、Zackと運命の出会いを果たします。Tom のトレードマークは野球帽で、"Libertyville" "Geek" "Commie" "PUD" "Unite" などと印刷されています。最近は違うスタイルの帽子をかぶったりもしていますが、Audioslaveのギタリストになった今も野球帽はかぶり続けています。しかし、The Nightwatchmanの演奏の時だけはスキンヘッドのままでギターの弾き語りをしています。また、レイジ時代のTomのギターにはべたべたと政治的主張を反映したシール類(Mumia Abu Jamelの再審やホームレス救済を訴えるシールなど)が張られていることが多く(しかし、動物の「かば」のマンガが張り巡らされていたこともあった)、Audioslaveで弾くようになってからは、”Soul Power"と書いてあるギターやケニヤの国旗の色をあしらったギターを使っています(しかもネクタイにもケニヤの国旗に描かれている盾と槍のデザインがコーディネートされています)。AudioslaveでのTomの活動については、Audioslave の紹介ページをご覧ください。

Tim Commerford: 生年月日は不明(Zackと同年齢だと思われる)。母親は数学者。父親はNASAのエンジニア。両親の離婚後、母親と暮らしていましたが、彼が二十歳のときに母親が脳腫瘍でなくなります。そのことがきっかけで、今では彼のトレードマークになっている刺青を入れ始めます。最初は左腕に黒い腕章のような刺青を入れていましたが、時と共にその面積が増え、今では、両肩、胸、背中全体、左足、とほぼ全身に広がっています。彼は、刺青男であると同時に自転車オタクでもあります(アルバムのSpecial Thanksの所に自転車の名前をいくつかあげているくらいです)。長年ジャズのアップライトベースを弾いていたTimですが、幼馴染のZackに誘われ、ベーシストとしてレイジに入る事になりました。また、Timの演奏方法ですが、あるインタビューによると1本の指で弦をはじいた方がより切れがよく聞こえることを知ったTimは、なるべく少ない数の指を使ってベースを演奏するように心がける様になったと言っていました。レイジとAudioslaveの底に流れるファンキーさはTimのベース演奏に支えられていると言っても過言ではないでしょう。しかし、彼もよく問題を起こす人で、レイジ解散直前のMTV Awardで、Music Video賞をもらえなかった(賞はLimpbizkitに)ことに抗議するために舞台上のセットをよじ登って警察に連行されたこともあります(この時、Zackは無言で会場を去ったそうです)。TimとZackの間にどんな諍いがあったのかはわかりませんが、解散以来一度も連絡は取ってないそうです。TimのインタビューでもZackやレイジに批判的な発言をしたりと、レイジファンとしてはちょっと悲しい限りです。しかし、再結成をしたと言うことは、二人の仲も元に戻ったのでしょうか。

Brad Wilk: 1968年9月5日オレゴン州生まれ。ドラマーのBradは、いろいろなバンドを転々としていましたが、ある日、Lock Upと言うバンドのオーディションを受けにいって、Lock UpのギタリストだったTom Morelloと仲良くなります。Tom がZackと出会い、バンドを結成することになった時、TomがBradに連絡を取って彼はレイジのメンバーになることになります。Bradはレイジメンバーの中でも、映画に出演するなど多才な人物ではありますが、政治や社会運動にあまり興味がなく(あるインタビューで、自分はTomやZackのように大きな運動に興味はあまりなく、地元の人の心配をする程度の興味しかないようです)、レイジ内では異色のメンバーでした。また、左腕には3をイメージした刺青(ユダヤ系であるBradにとって3には何か特別な意味があるようです)、右腕にはライオンの刺青が彫ってあります。ちなみにZackの左腕にはキング牧師、Timの両肩には9が三つ巴になったマーク(一説には6が三つと言われていますが、本人が9にこだわりがあると言っているので多分9だと思います)が彫ってあります。Tomが刺青を彫っているのかどうは不明ですが、シャツ無しで演奏している姿を見る限り何もないので、メンバーで唯一刺青なしの人物なのでしょう。

Discography(*印はシングル版でも販売・(好)は個人的に好きな曲)

Rage Against the Machine (1992)
* Bombtrack* (好) リズムのパンチが効いている
* Killing In The Name* (好) 緩急のつけ方が小気味いい
Take The Power Back
Settle For Nothing
* Bullet In The Head* (好) HipHop・メタル・パンクが次から次へと展開され、上手く融合している見事な曲。
Know Your Enemy (好) ノリの良い曲です
Wake Up
Fistful Of Steel (好) Tomのギター演奏がやたらとすごい
Township Rebellion
Freedom*







Evil Empire (1996)
People of the Sun
* Bulls on parade* (好) 渋めのカッコ良い曲です
* Vietnow*
Revolver
Snake Charmer
Tire Me
* Down Rodeo*
Without a Face (好) ちょっと地味だけど、とてもパワフルです
Wind Below
Roll right
Year of tha Boomerang







Live and Rare (1997、日本向けに発売されたライブ版)

ライブ版なので、Zackのスピーチ等も含まれています。
Bullet in the head (live)
Bombtrack (live)
Settle for nothing (live)
Take the power back (live)
Without a face (live)
Fuck tha police (live)
Clear the lane
Darkness
Hadda been playing on the jukebox (live)....Zackがアレン・ギンズバーグの詩を朗読している
The hour of chaos (live with Chuck D.)
Zapata's Blood (live)







Battle of Los Angeles (1999)
Testify*  PVの出だしで宇宙人が地球侵略を計画。。。なんとあの人たちが。。。
* Guerrilla Radio* (好) とってもキャッチーな曲
Calm Like a Bomb
Mic Check
Sleep Now in the Fire (好) Tomのギターが素敵。歌詞にHiroshimaの文字がある
Born of a Broken Man
Born as Ghosts
Maria
Voice of the Voicless
New Millenium Homes
Ashes in the Fall
War Within a Breath
*No Shelter* 日本向けのCDのBonus Track






Renegades (2000、Zackの脱退宣言の後に発売されたレイジ最後のアルバム)
Microphone Fiend
Pistol Grip Pump (好) Timによるとロスの市歌のようなものだとか。カッコ良くてノリの良い曲です
Kick Out the Jams....Zackが本格ロックボーカルに挑戦している
Renegades of Funk (好) PVも個性的ですが、レイジの良さが一曲で味わえる作品
Beautiful World....Devoのカバー曲で、Zackの歌声が聴けます
I'm Housin'
In My Eyes
How I Could Just Kill a Man
* The Ghost of Tom Joad* (好)とても渋い良い曲です。
Down on the Street
Street Fighting Man ストーンズのカバー曲で、Zackがミックっぽく歌っています
Maggie's Farm(好)Bob Dylanの曲がレイジの曲として生まれ変わっています。
Tomのインタビューで、Maggie's Farmのギターリフを録音したテープが絡まって切れてしまい音源を取り出せなくなったそうですが、それを救ったのが普段FBIの証拠のテープを修復して音源を再生する専門職の人だそうです。FBIとレイジの意外な接点です。







Live at the Grand Olympic Auditorium (2003)
2000年11月12日と13日にGrand Olympic Stadiumで行われたレイジ最後のコンサートの模様を伝えるライブ版
アメリカ同時多発テロの後、ラジオでレイジの曲をかける事が禁止された(全曲が禁止されたのはレイジだけ)のですが、そのこともあってこのライブ版はアメリカではあまり売れなかったそうです。しかし、日本では好評でした。










Pictures used:

(1)Picture of Rage posted in Picture Gallery "ZDLR Gallery" No. 34 at www.zdlr.net
(2)Picture of Rage posted in the Photo Gallery "Related Pictures" No.166. at www.zdlr.net
(3)Picture of Zack de la Rocha posted in Picture Gallery "ZDLR Gallery" No. 44 at www.zdlr.net
(4)Picture of Tom Morello posted in the Photo Gallery "Related Pictures" No.26. at www.zdlr.net
(CD Covers) Company and the year of Copyright as indicated below the pictures.

(Funky Renegade) 2005.9


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