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| 1. ブラック・シャック Black Shuck 2. ゲット・ユア・ハンズ・オフ・マイ・ウーマン Get Your Hands Off My Woman 3. グロウイング・オン・ミー Growing on Me 4. 愛・ビリーヴ I Believe in a Thing Called Love 5. ラヴ・イズ・オンリー・ア・フィーリング Love Is Only a Feeling 6. ギヴィン・アップ Givin' Up 7. スタック・イン・ア・ラット Stuck in a Rut 8. フライデー・ナイト Friday Night 9. ラヴ・オン・ザ・ロックス・ウィズ・ノー・アイス Love on the Rocks With No Ice 10.ホールディング・マイ・オウン Holding My Own <Bonus Track> 11.ザ・ベスト・オブ・ミー The Best Of Me 12.メイキン・アウト Makin' Out |
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| 本当に久しぶりにロックらしいロックが戻ってきた!いまだにこんな個性派バンドが出てくるとは、イギリスのロックもまだまだ底知れないものがある。しかも今流行の「負」のパワーを持ったバンドではなく、陽気でユーモラス、でもカッコイイという70年代ロックが持っていた外面的ロックらしさに充ち満ちている。もちろん、表面的な部分ばかりでなく楽曲もすばらしいのだが、それをも忘れてしまうくらい、ライヴやそれ以外のパフォーマンスでもロック・アーチストらしいカリスマ性にあふれている。 そんな彼らのアルバムを紹介するにあたり、実は1年以上もの月日を要した。なぜならこのアルバムを冷静に聴けるようになったのはつい最近のことだからだ。それまでは紹介文をかこうと準備して聞いていても、途中でついつい我を忘れてノってしまい、聞き終わる頃には文章や理屈などどうでもよくなっていた。しかし、その間にもセカンド・アルバムがリリース(そちらも素晴らしいが)され、本作とはまたひと味違った完成度の高いサウンドを披露したために、逆に本作の魅力もおぼろげながら見えてきた。そこで、もう1度極力冷静になって本作を聞き直してみることにする。 デビュー当時から彼らのサウンドについて、クイーンに似ているとかAC/DCに似ているとか、いろいろ騒がれていたが、今聞いてもそのどれもが当てはまる。それどころかレッド・ツェッペリンやザ・フー、ローリング・ストーンズ、はたまたキッスやエアロスミスにまで似ているところさえある。だが、それはただ似ている部分があるというだけの話で、彼らが生み出すサウンドの単なるエッセンスにすぎない。それよりあのチョー個性的なファルセット・ヴォイス(裏声)やワイルドだが上手い演奏、そしてメロディー・センスの良さの方が遙かに魅力的だ。 まず、ジャケットを見ていただきたい。サイズを大きくできず申し訳ないが、アメリカでは発売禁止となりそうな、セクシー&ユーモラスなもの。裏ジャケではこの女性が正面を向いていて、宴会芸のように手に持っている卓球ラケットのようなものでバストを隠している。個人的には、スコーピオンズのジャケットのセクシーさとチープトリックのジャケットのユーモア・センスを併せ持つ名作だと感心している。 曲の方も順に解説していこう。本作は最初からLPを想定して作られているようで、全10曲しかない。だが、この10曲の中に彼らの魅力がギッチリ凝縮されている。 とにかく1曲目のイントロからまるで「オレたちはロッカーだぜ」と宣言しているような爆音ギターの音が飛び出す。つづいてドラムが裏で拍子を取りながら、これまたカッコよく侵入する。そしてバンドのヒーロー、ジャスティンがファルセット・ヴォイスを混ぜながら歌い出す。サウンド的には、初期のエアロスミスにも似たシンプルでワイルドな曲だが、あの独特のジャスティンの歌い方が、ちょっと普通ではないバンドだということを予感させる。 そして、2曲目で早くもその予感が確信へと変わる。なんと出だしのメイン・メロディーをジャスティンはファルセット・ヴォイスだけで歌いきる。初めて聞いたときは「なんてバカなバンド出てきたものだ」と笑いながらも、こんなバンドを待っていたんだと、嬉しくて思わず1人でガッツ・ポーズを出していた(笑)。この曲は、後にロイ・トーマス・ベイカーとの共同プロデュースで再録音したものを「Get Your Hands Off My Woman Again」としてダウンロードのみの再リリースし、ダウンロード・チャートの14位に輝いている。 3曲目はメジャー初シングルとなった曲で、全英11位、米ビルボード・ロック・チャートでも40位のスマッシュ・ヒットとなった。しかしこの曲、良い曲ではあるのだが、全楽曲の中ではそれほど目立つ曲ではないし、キャッチーでもない。なぜシングルに選ばれたのか理解に苦しむところだ。病める音楽業界の自信の無さがそうさせたのか!? 4曲目の「愛・ビリーヴ」は、当初自主制作でシングル・リリースし、チャートの180位に食い込んだ名曲。後にメジャーからもシングル・リリースし、米ビルボードで35位、同モダン・ロック・チャートでは9位を記録する大ヒットとなっている。AC/DCを思わせるギター・リフから始まり、メロディーのサビでジャスティンのファルセット・ヴォイスが炸裂、そしてギター・ソロではクイーン風の多重録音と、最も彼らのサウンドが分かりやすい曲でもある。蛇足だが、日本で後からリリースされた本作のDVD付き「最強版」でのライヴ・ビデオをを見ると、最後のギター・ソロを弾いているのはジャスティンで、これがまたかなり上手い。ジャスティンは元々キーボード・プレイヤーであったはずだが、ギターの腕も弟のダンより1枚も2枚も上手だ。もちろんピアノやシンセサイザーなどのキーボードはすべて弾きこなし、曲も共同クレジットにはなっているが、おそらくはほとんどジャスティン1人で書いていると思われる。いったいこのジャスティン・ホーキンスという男の才能はどこまですごいのだろう。 少しブルージーなハード・ギターのイントロで始まる5曲目は、ヴォーカルが入ると意表をついて綺麗なトラッド・ミュージック風に変わる。こういったところは彼らがブリティッシュ・ハードの正統的な後継者であることを強く感じさせる部分でもある。意外と言っては失礼だが、こんなラヴ・バラードにもジャスティンの変態ファルセット・ヴォイスはけっこう合う。 つづいてはスートンズ風のシンプルなギター・イントロで始まる6曲目。どうせならというわけでもないだろうが、途中の雄叫びがやけにR&Bっぽい。ギター・ソロはまたまたクイーン風。この曲とはメドレーでつながる7曲目は、なんとツェッペリン風。ギター・ソロもかなりジミー・ペイジを意識した和音複合型だ。聞いているほうは、このあたりでもう絶頂に達しているのだが、これでもかと名曲はつづく。 8曲目、今度は軽快な70年代ポップ風で、ニッキー・ホプキンスのようなピアノも楽しめる。個人的にもかなりお気に入りのナンバーだ。 次はじっくり聞かせる「どハード・ロック」の9曲目。全体はまるっきりツェッペリン風だ。しかしよく聞けば途中にトニー・アイオミ(ブラック・サバス)風の図太いギター・リフもあったり、UFO時代のマイケル・シェンカー風ギター・ソロもあったり、エンディングはクイーン風だったりと、まさに70年代ブリティッシュ・ハードの塊のような曲だ。 10曲目、最後はロック・バラードで締めるあたりも大物の風格を漂わせる。なぜか途中に10ccを思わせるコーラスも入るが、これはオマケのサービスだろうか?(笑)絡みつくようなギターもいい。ギンギンにノリまくった後の余韻を楽しむような曲だ。 以上10曲で本来のアルバムは終わりだが、日本盤のボーナス・トラックとして2曲が追加されている。オマケはオマケでしかないのだが、2曲とも決して悪い曲ではない。編集の都合上やむなく省かれてしまったというような感じの圭作だ。特に2つ目の「メイキン・アウト」はトッド・ラングレン風でなかなかいい。 ○○風、○○風と、いちいち紹介してきたが、間違えてもらいたくないのは冒頭でもかいた通り、彼らの真の魅力はそんなところにあるのではないということだ。その事実は、余分な装飾を取り払い、純粋な自分たちだけの音で勝負したセカンド・アルバムを聞いていただけば明白となる。だが、完成されていないワイルドさがこのファースト・アルバムのもう1つの大きな魅力でもあり、これから彼らがどんなにビッグになろうとも、2度と繰り返せない1回きりのパフォーマンスでもあるのだ。 あのすばらしき70年代ブリティッシュ・ハードを再び現代に持ち帰ったザ・ダークネスに着陸許可(Permission to Land)を与えてくれた大英帝国に感謝する。 (HINE) |
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