ロック界のスーパー・スター(ベーシスト編)

巧いベーシストとは、リズムとベース・ラインをキープしつつ、音の隙間にキラリと光るセンスの良いフレーズを入れられる人です。ただ目立てばよいというものでもありません。ただし、ギターやキーボードなどのリード楽器がいない場合は、ベース・ギターでも時としてリード楽器になる場合があります。また、比較的他の楽器より目立たない分、パフォーマンスで魅せるのもベーシストにおいては重要です。

評価グラフの見方(ベーシスト編)

円グラフは以下のような項目で10ポイント制により評価しています。周囲にある文字は、本来右のような項目の略です。
PERPerfomance パフォーマンス…ライヴ・パフォーマンスやファッションなど他のミュージシャンに与えた影響力。
TECTechnic テクニック…速さを除いた総合テクニックです。ただし活躍した時代レベルでの評価となります。
SPESpeed スピード…文字通りのベース・ギターを弾くスピード。
PHRPhrase フレーズ…フレーズの良さ。聞く人によっては感じ方が違いますので、参考程度。
R.SRhythmic Sence リズム・センス…文字通りのリズム感。ベースパートにおいてもリズム感は重要です。


ベーシスト編

プレイヤー名
ニック・ネーム

評 価

ルーツ

得意技と特徴

得意ジャンル

代表作

JOHN ENTWISTLE
ジョン・エントウィッスル

The Ox

ロックンロール系プレイヤー 暴れ放題のバンドメンバーの中で唯一平常心を保つ。攻撃的なプレイは他のメンバーにも負けない。 ロックンロール 「Live at Leeds」
 The Who
「Quadrophenia」
 The Who

JACK BRUCE
ジャック・ブルース

ブルース

クラシック、ジャズ、ブルース、R&B系プレイヤー ほとんどリード楽器同様にベースでメロディを弾きまくる。
常にベース・ソロ状態
ブルース・ロック、ジャズ・ロック 「Live Cream Vol.2」
 Cream
「Goodbye」
 Cream

FELIX PAPPALARDI
フェリックス・パパラルディ

パパラルディ

ジャック・ブルース ジャック・ブルース譲りの爆音ベースだが、他のパートとの調和も考えた押し退きができる人 R&B、ロックンロール、ジャズ・ロック、ブルース・ロック 「Nantucket Sleighride」
 Mountain
「Flowers of Evil」
 Mountain

RICHARD SINCLAIR
リチャード・シンクレア

リチャード

ジャズ系プレイヤー ほとんどフュージョンに近いベースラインを70年代初頭から確立していた。彼の加入するバンドはみなテクニカル系に早変わり ジャズ・ロック、プログレ、フュージョン 「In the Land of Grey and Pink 」
 Caravan
「Breathless」
 Camel

GREG LAKE
グレッグ・レイク

レイク

ジャズ系プレイヤー
ジャック・ブルース
バックに徹した控えめプレイだが、和音やユニゾンを巧みに利用し、キメる時はキメる。 ジャズ・ロック、ロックンロール、プログレ
「In the Court of the Crimson King」
 King Crimson
「Tarkus」
 EL&P

JOHN WETTON
ジョン・ウェットン

ウェットン、ロック界の貴公子

ジャズ系プレイヤー
グレッグ・レイク
ジャズを取り入れたプレーで本気になればすごいが、ときどき手抜きプレーもあり。 ジャズ・ロック、プログレ、ポップ・ロック 「Red」
 King Crimson
「Return To Fantasy」
 Uriah Heep
「U.K.」
 UK

TIM BOGERT
ティム・ボガート

ボガート

ジャック・ブルース、ジョン・エントウィッスル、ファンキー・R&B系プレイヤー 大音量でリード楽器のように弾きまくる。オリジナリティにあふれベース・ソロも得意。 ブルース・ロック、カントリー・ロック、ハードロック 「Vanilla Fudge」
 Vanilla Fudge
「Cactus」
 Cactus
「Live in Japan」
 BB&A

CHRIS SQUIRE
クリス・スクワイア

クリス

クラシック音楽、ゴスペル、R&B 特にトレブル系(高音)の使い方がうまく、非常に目立つプレイ。 プログレ、カントリー・ロック、ポップ・ロック 「Close to the Edge」
 Yes
「Yesshows」
 Yes

GEEZER BUTLER
ギーザー・バトラー

ギーザー

ロックンロール、ロカビリー系プレイヤー 単調だが、インパクトのあるフレーズを考え出す。重低音 ハードロック 「Paranoid」
 Black Sabbath
「Vol.4」
 Black Sabbath

GARY THAIN
ゲイリー・セイン

―――

ギーザー・バトラー、クリス・スクワイア、ジョン・エントウィッスル ツボを押さえた緩急自在なプレイ。ギターやキーボードより印象に残るうまいフレーズ。 プログレ、ハードロック 「Demons and Wizards」
 Uriah Heep
「Sweet Freedom」
 Uriah Heep

PETE WAY
ピート・ウェイ

ウェイ

ポール・マッカートニー はっきり言ってプレイは下手だが、ライヴでの格好良さではスバ抜けている。腕が長くベーシストのイメージにピッタリ。 ロックンロール、ハードロック 「Force It」
 UFO
「Vices」
 Waysted

TREVOR BOLDER
トレヴァー・ボルダー

―――

ポール・マッカートニー、ジョン・エントウィッスル バックに徹しているが、ノリは良い。テクよりフレーズ重視型 ハード・ロック、プログレ、ロックンロール 「Rise & Fall of Ziggy Stardust」
 David Bowie
「Firefly」
 Uriah Heep

GLENN HUGHES
グレン・ヒューズ

―――

ジョン・エントウィッスル、ティム・ボガート 固い音とファンキーなノリが特徴。ステージ上でもかなり暴れ回る。 ハードロック、ヘヴィ・メタル、ファンキー 「Burn」
 Deep Purple
「Made in Europe」
 Deep Purple

DAVID HUNGATE
デヴィッド・ハンゲイト

―――

ジャズ系プレイヤー セッションマンとして鍛えた幅広い音楽性に対応できる許容力。抜群のリズム・センス。 全ジャンル対応 「Silk Degrees」
 Boz Scaggs
「Toto IV」
 TOTO

GENE SIMMONS
ジーン・シモンズ

ジーン

ポール・マッカートニー、ギーザー・バトラー 血を吐く、火を噴くなど、ライヴにおいては革命的なパフォーマー。ベースのプレイ自体はオーソドックスだが、良いフレーズを弾く。 ロックンロール、ハードロック 「Alive !」
 Kiss
「Destroyer」
 Kiss

NEIL MURRAY
ニール・マーレイ

―――

ジャズ系プレイヤー バックに徹したプレイだが、音程、リズム感ともに正確で安心できる。 ジャズ・ロック、ハードロック 「Strange New Flesh」
 Colosseum II
「Whitesnake」
 Whitesnake

NATHAN EAST
ネイザン・イースト

ロン・カーター、チャック・レイニー、ジャズ・R&B系プレイヤー 目立ち過ぎず目だたな過ぎず、キメルところはキメル、ギタリストから最も好かれるタイプのベーシスト ジャズ&フュージョン、ブルース、ポップス 「August」
 Eric Clapton
「Live In Japan」
 George Harrison

BILLY SHEEHAN
ビリー・シーン

ビリー

ジョン・エントウィッスル、ジャック・ブルース ギターと対等に渡り合えるほどの激しいプレイ。ロック界最速と思われる超速弾き ポップ・ロック、ハードロック、ヘヴィメタル 「Mr. Big」
 Mr. Big
「Greg Howe」
 Greg Howe

TONY LEVIN
トニー・レヴィン

―――

ジャズ系プレイヤー 常に沈着冷静、正確でツボを押さえたテクニカル・プレイ、どんなジャンルにも対応できる柔軟性でセッションマンとして引っ張りだこ フュージョン、ジャズ・ロック、プログレ 「Liquid Tension Experiment」
 Liquid Tension Experiment
「Black Light Syndrome」
 Bozzio Levin Stevens

JOHN MYUNG
ジョン・ミュング

―――

クリス・スクワイアー、ビリー・シーン、スティーヴ・ハリス チョッパーなどファンキー系テクも応用したテクニカル・プレイヤー。指の動きはオーバーアクション プログレ、プログレ・ハード、ヘヴィ・メタル 「Image And Words」
 Dream Theater「Metropolice Pt.II Scenes from a Memory」
 Dream Theater