ジャケットの名盤を手がけた著名アーチスト・ファイル

File No.13
HUGH SYME ヒュー・サイム

ヒュー・サイムは元々カナダのミュージシャン兼グラフィック・アーティストであり、Ian Thomas(vo,ds)率いるイアン・トーマス・バンドでキーボードを弾く傍ら、まだ無名だったラッシュのアルバム・ジャケットのアート・ディレクションなどを担当していた。その後1976年、ラッシュの4枚目のアルバム「西暦2112年」へはキーボードでも参加し、自らジャケットのデザインまで担当した。すると、ちょうどラッシュもこのアルバムを境にジワジワと人気を獲得し始め、80年の「パーマネント・ウェイヴス」で、ついに全米5位と大ブレイク。それと共にサイムのジャケット・デザインも一気に世界中から注目を集めるようになった。さらに彼を有名にしたのは、82年のハーレクイン「One False Move」のジャケットで、カナダのグラミー賞とも言うべきジュノー賞を受賞。以降は各方面から引っ張りだことなり、次々とジャケットの名作を生みだし、カナダのヒプノシスとまで噂される存在へと成長していった。ラッシュのアルバムでは、その後現在に至るまでアートディレクションを手がけ続けており、もはやラッシュのアルバムにはサイムの存在は欠かせない。


Harlequin/One False Move
1982年 CBS/Columbia

Rush/Permanent Waves
1980年 Mercury/EastWestJapan

Coverdale・Page/Coverdale・Page
1993年 Geffen/Sony

Quiet Riot/Quiet Riot
1988年 Pasha/Columbia

Whitesnake/Whitesnake(1987)
1987年 EMI/Geffen/CBSソニー

Steelheart/Tangled in Reins
1992年 MCA/ビクター

Megadeth/Youthanasia
1994年 Captol/東芝EMI

Bad English/Backlash
1991年 Epic/Sony

ヒュー・サイムの作品には、大きく分けて2通りのパターンがあり、1つはヒプノシスを思わせるような奇抜なアイデアで勝負するもの、もう1つはシンボリックなロゴやマークの一発勝負もの、どちらもハッとさせられるものが多い。また、サイムはコンピューターも駆使しているのだが、そういった特異なアイデアを取り入れることによって、カッチリとした面白みの無いデザインになりがちなコンピューター・デザイン独特のマイナス点を解消している。
彼のそうした作風は、CD時代となった80年代半ば過ぎからはますます輝きを増し、90年代以降はまさにヒュー・サイムの時代になっていると言えよう。
他の代表的な作品にはロック関係だけでも、エアロスミス、エイジア、ザ・バンド、ボン・ジョヴィ、アリス・クーパー、ハウス・オブ・ローズ、アイアン・メイデン、キングダム・カム、キッスMSG、ナイトレンジャー、クイーンズライチ、クワイエット・ライオット、ストレイ・キャッツ、スティクス、サヴァイヴァー、ユーライア・ヒープY&Tなど無数にある。