ジャケットの名盤を手がけた著名アーチスト・ファイル

File No.6
Norman Seeff ノーマン・シーフ

70年代初頭から活躍しているアメリカを代表するカメラマン。詳しいバイオグラフィなどは不明だが、南アフリカ共和国、ヨハネスバーグ育ちの白人。父親は医者らしい。若い頃、癌に冒され3度手術をしたが転移するばかりで直らず、68年治療のためニューヨークへ渡る。同時にこの頃から本格的に写真を撮り始める。その後、放射線治療により奇跡的に快復し、72年ユナイテッド・アーチスト・レコードでアートディレクターになるためロサンゼルスへ移住し成功する。
ノーマンは、ロックだけでなく、あらゆるジャンルのミュージシャンを撮り続け、最近では映像やTV番組のインタビュアー、ゲーム関係の仕事など、その活動範囲はかなり多岐に渡っている。また、日本でも彼の写真集などが発売されており、知名度においても現在アメリカNo.1のミュージック・フォトグラファーと言えるだろう。彼の場合、アート・ディレクターなどからの依頼で、そのイメージ通りの写真を撮る時もあれば、アート・ディレクションやデザインまで1人でこなしてしまうこともある。ようするに仕事を選ばないということだ。そのため膨大な数の作品があり、他のカヴァー・アーチストとのコラボレートも多いのが特徴だ。


Rickie Lee Jones/Rickie Lee Jones
1979年 Warner

Joni Mitchell/ Hejira
1976年 Asylum

Rolling Stones/Exile on Main Street
1972年 Virgin

Eric Carmen/Eric Carmen
1975年 Geffen

Carly Simon/Playing Possum
1973年 Elektra

Kiss/Hotter Than Hell
1974年 Mercury

Frank Zappa/Joe's Garage Act I
1979年 Zappa

Johnny Winter And.../Live
1971年 Columbia

ノーマンの作風は、特に変わったところがあるわけではないが、被写体となる人物の個性や長所をうまく引き出し、自然かつ美しいポート・レートを撮ることが非常にうまい。特に上のリッキー・リー・ジョーンズやカーリー・サイモンのジャケットの美しさは、持つ者に喜びを与え、棚から引っ張り出すたびに、ワクワク感を味あわせてくれることだろう。また、ミュージシャンのキャラクターによっては、上のキッスザッパのように、悪ノリすることもある。おそらくかなりユーモア・センスも持ち合わせている人なのではないだろうか。キッスのジャケットでは、アート・ディレクションもこなし、彼らの特殊メイクが歌舞伎をヒントにしていることから、日本語を使ってその雰囲気を出そうと試みている。その結果へんてこなジャケットになってしまったが、これはこれでインパクトがある。この他には、ザ・バンドや、トム・ウェイツ、ヴァン・モリソン、ヴァン・ヘイレン、エアロスミス、シェール、イーグルスグランド・ファンクニッティ・グリッティ・ダート・バンド、ボニー・レイットなどの仕事が有名だ。

協力:「Do You Know Them?」えさかさん