ジャケットの名盤を手がけた著名アーチスト・ファイル

File No.12
ANDREAS MARSCHALL アンドレアス・マーシャル

1961年生まれ、ベルリンを拠点に活躍するドイツ人アーチスト。彼は最初コミック関係の仕事でキャリアをスタートさせたのだが、あるヘヴィメタル・バンドの仕事をしたのがきっかけとなり、1981年から本格的にジャーマン・メタルやヨーロッパのメタル・バンドのアルバム・カヴァー・アートを次々と手がけるようになっていった。
1988年には、ドイツ国内でテレビ番組用のビデオ・クリップなどにも進出し、ディレクターとしてその手腕を発揮するようになった。99年からは映画の仕事もしているらしいが、相変わらずアルバム・カヴァーの方も併行していて、そのヴァイタリティ溢れる仕事ぶりにはとても感心させられる。


Blind Guardian/Forgotten Tales
1996年 EMI/ビクター

Stratovarius/Visions
1997年 FAD/ビクター

Covenant/Nexus Polaris
1998年 Nuclear Blast/マーキー

Destruction/Cracked Brain
1990年 Noise/キング

Gamma Ray/Land of the Free
1995年 Noise/ビクター

Nocturnal Rites/After Life
2000年 Epic/ビクター

Immolation/Dawn of Possession
1991年 Grunt/RCA

Hammer Fall/Renegade
2000年 Nuclear Blast/ビクター

70年代のプログレが衰退して以来、こういったファンタジックな世界を描くイラストレーターはめっきり減ってしまったが、それらはヘヴィ・メタル系アーチストのアルバムへと受け継がれ、今でも一部で絶大な支持を受けている。特にクラシック・ロック崇拝が顕著な、イギリス以外の周辺ヨーロッパ・日本などでは、ジャケットの善し悪しがセールス面にも影響するほどだ。
このアンドレアス・マーシャルもは、ヘヴメタ界では人気のイラストレーターで、ドイツ人らしく緻密で精巧な描写が得意だ。それはよく使われる左右対称の背景画にも表れている(ちなみに彼はハンド・ドロー&ハンド・ペインティングで、コンピューターは使用していない)。その反面、コミック作家だったこともあり、ところどころにラフな描写も見られ、それがまた"味"となり、彼の魅力ともなっている。
他の作品には、ダーク・ムーア、D.A.M.、ドラゴンハート、デプレッシヴ・エイジ、ハロウィン、イン・フレイムズ、アイアン・ファイア、キング・ダイアモンド、ペガサス、レイジ、レイヴン、ランニング・ワイルド、スキャナー、ソドム、サンダーヘッド、U.D.O.などがある。また、90年代からかなりのハイペースで作品を送り出すようになり、その数も加速度的に増え、イラストレーター系の作者としては異例の作品数を誇っている。アーチストによって作風を変えないことも、早く仕上げるための一因になっているのだろう。