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| トニー・レーンは60年代から現代まで幅広いジャンルのカヴァー・アートを手がけるアート・ディレクターで、78年のカーリ・サイモンのアルバム・ジャケットがグラミー賞を受賞し、名カヴァー・アーチストの仲間入りを果たす。作風にはあまり一貫性はなく、その時々により、うまく時代の気分を取り入れたものが多い。そのため同業者中でも希にみる息の長さで、第一線で活躍し続け、まだまだ現役だ。 同姓同名にニュージーランドの画家と、ローリングストーン誌の創設メンバーがいるが、どうやらこの2人とは別人らしい。 |
![]() Johnny Winter/Second Winter 1969年 Columbia |
![]() Simon & Garfunkel/Bridge Over Troubled Water 1970年 Columbia |
![]() Creedence Clearwater Revival/Mardi Gras 1972年 Fantasy |
![]() Dave Mason/Mariposa de Oro 1978年 Columbia |
![]() Carly Simon/Boys in the Trees 1978年 Elektra |
![]() Heart/Bebe Le Strange 1980年 Epic |
![]() TOTO/Turn Back 1981年 Columbia |
![]() Fishbone/Fishbone 1990年 Sony |
| 上にもかいたが、トニー・レーンは時代の気分を取り入れるのが非常に上手い。60年代〜70年代初頭は、周りはほとんどが写真を使ったアルバム・ジャケットで、トニーもその例に漏れず写真を多用していたが、彼なりの一ひねりを加えることで個性を発揮していた。70年代前半はプログレやハードロック全盛の時代で、周りはイラストや写真を絵のように見せる手法が流行した。その時代にはトニーも上段右から2番目のCCRのジャケットのような名作を残している。そして、ノーマン・シーフやミック・ロックなどの写真家が大活躍していた70年代半ば〜後半には、構図で見せるシンプルな作風の写真を使ったものが多くなり、下段左のカーリ・サイモンのジャケットでグラミー賞を受賞した。 その後、シンプルでモダンなものがよしとされた80年代には、モノトーンを使ったシンプルな名作を数多く残している。特に下段右から2番目のTOTOの「ターン・バック」はとても印象的だった。 そして90年代には、オルタナ系やヒップホップ系が全盛期を迎えていたのだが、トニーもその流れをキャッチし、下段右端フィッシュボーンのような、1つの閉鎖空間の中の自由というような、つかみ所のないオルタナティヴという世界をうまく描き出している。 |
