ジャケットの名盤を手がけた著名アーチスト・ファイル

File No.5
H.R.GIGER H.R.ギーガー

1940年スイス生まれ。大学で工業デザインを学んだ後、チューリヒでインテリアと工業デザインの仕事を始める。最初の仕事はテーブルとマスクだった。60年代の終わり頃、女優と恋に落ちたギーガーは、特殊メイク用のマスクを作る仕事を始める。その後ロンドンへ渡ったギーガーは、73年エマーソン・レイク&パーマーの「恐怖の頭脳改革」のジャケットを依頼される。この見事なジャケット・デザインが話題となり、世界的に注目を浴びるようになる。
77年にアメリカへ渡った後は、映画の仕事も始め、主にホラー映画の特殊メイク用マスクを手がけるようになる。そして80年、あの「エイリアン」の特殊メイクで一躍有名になった。現在では、カヴァー・アートの仕事は減ってはいるが、まだ時折メタル系アーチストのジャケットなどで見つけることができる。


EL&P/Brain Salad Surgery
1973年 Rhino

Debbie Harry/Kookoo
1981年 Chrysalis/Razor&Tie

Steve Stevens/Atomic Play
1989年 Warner

Magma/Attahk
1978年 Tomato

EL&P/Brain Salad Surgery(内ジャケ)
1973年 Rhino

Island/pictures
1977年

Carcass/Heartwork
1993年 Earache

Celtic Frost/To Mega Therion
1985年 Noise

とにかくこの斬新で気持ち悪いデザインは一度見たら忘れられない。最愛の人を亡くしてしまったことからくる苦しみと怒りが、彼をここまで追いつめたのだろうか・・・。まあ、それが強烈なオリジナリティとなり、今では、わざわざ気持ち悪い作風にしているのだろうが。彼のカヴァー・アートで一番印象的な、左上にあるEL&P「恐怖の頭脳改革」のジャケットは、LPでは真ん中から観音開きになっていて、開けると内ジャケ(左下)の絵が出てくるようになっていた。工業デザインをやっているだけあって、緻密で繊細、色使いも無機質っぽい。また、どことなく顔がエイリアンに似ているという評を良く聞くが、髪の毛の感じなどはまさにその通りだ。また、スイスのバンド、アイランドのジャケットに出てくる顔などは、エイリアンそのもので、この頃からすでにギーガーの頭の中には、エイリアンが住み着いていたのだろう。