ジャケットの名盤を手がけた著名アーチスト・ファイル

Famous Artists-Part2
著名芸術家によるカヴァー・アート(パート2)

著名芸術家の中には、自己表現の1つの方法としてカヴァー・アートの仕事を手がけたことのある人や、カヴァー・アートの仕事がきっかけで一躍有名になった人達、はたまたミュージシャンと親密な関係になり、その因縁で手がけることになった人もいる。
それらの作品の共通点は、アルバムのセールスのことなどは気にせず、成り行きや自然体に近い感覚で自由に作られているということだ。したがって結果的に傑作になったものもあれば、何の変哲もないものもある。ここでは、そういった作品群を紹介しておこう。


1.Patti Smith/Horses
1975年 Arista

2.Television/Marquee Moon
1977年 Elektra

3.The Band/The Band
1969年 Capitol

4.Paul Butterfield's Better Days/It All Comes Back
1973年 Bearsville

5.The Band/Music from Big Pink
1968年 Captol

6.Todd Roundgren/Runt: The Ballad of Todd Rundgren
1971年 Bearsville/Rhino

7.Gregg Allman/Laid Back
1973年 Polydor

8.Santana/Abraxas
1970年 Columbia/Legac

9.Tempest/Tempest
1973年 Bronze

10.Mike Bloomfield/Live Adventures of Mike Bloomfield and Al Kooper
1969年 Columbia

11.E.L.O/Out Of The Blue
1977年 Jet

12.Jefferson Starship/Spitfire
1976年 RCA

1.と2.はアメリカの有名芸術写真家、Robert Mapplethorpeロバート・メイプルソープ(1946〜1989)の撮った写真が使われている。70年代の半ば頃、ニューヨークのアンダーグラウンドでは、音楽のみならずさまざまな芸術界の異端児達が産声をあげた。先のアンディ・ウォーホルなどもその1人だが、ウォーホルとは友人関係にあったメイプルソープもまた独自の世界を切り開き、写真家として成功を収めていった。若き日のメイプル・ソープは、本屋で働いていたパティ・スミスと知り合い同棲生活を送り始める。その関係で彼女やウォーホル周辺のパンク・ロッカー達とも交流があり、自分の作品の中でもたびたび仲間を被写体にした。
3.はウッド・ストック・フェスティバルのオフィシャル・フォトグラファーとして一躍有名になった、Elliott Landyエリオット・ランディ(1942〜)が撮ったもの。彼は元々はベトナム反戦運動写真家であったが、60年代末よりロック系ミュージシャンを撮り始め、ウッド・ストック・フェスティバルを境にその地に住み着き、本格的にロック界の報道写真家として数々のカリスマ・ミュージシャン達の生き様を撮り続けた。
4.5.6.は、アイ・ラヴ・ニューヨークのロゴ(右のロゴ)でお馴染みの著名デザイナー、Milton Glaserミルトン・グレイザー(1929〜)がデザインしたジャケット。彼はCI、インテリアデザイン、環境デザイン、建築、出版、音楽、演劇、映画など幅広いジャンルで活躍するデザイナーで、音楽関係では古くからカヴァー・アートやポスターなどを手がけている。彼の場合、自ら絵を描いたり写真を撮ったりすることは少ないが、5.ではボブ・ディランが描いたヘタウマ風絵画を採用して話題になった。
7.8.9.,はドイツ出身の画家Abdul Mati Klarweinアブドゥル・マティ・クラーワイン(1934〜)の作品。ダリとも友達でウォーホルからも敬愛されていたマティは、70年に手がけたサンタナのセカンド・アルバム「Abraxas」をきっかけに一躍有名になり、その鮮やかな色彩と緻密な作風でアシッド系のミュージシャン達のカヴァー・アートを次々と制作した。
10.はアメリカの大統領から国民最高栄誉の”Medal of Freedom"を授かるほどの偉大なるイラストレーターNorman Rockwellノーマン・ロックウェル(1894〜1978)によって描かれたもの。これを描いた頃、すでにロックウェルは著名アーチストとして大成していたので、当時マイク・ブルームフィールドとアル・クーパーの組合せが如何にスーパーなものであったのかが伺い知れる。
11.12.は日本が誇るイラストレーター、Shusei Nagaoka長岡 秀星(1936〜)によるカヴァー・アート。彼の場合70年代に渡米し、レコード・ジャケットの仕事をするようになってから一躍脚光を浴び、世界的なアーチストとしての地位を確立した。最も有名なのはアース・ウインド&ファイアの黄金期に手がけた一連のアルバム・カヴァーで、彼自身の代表作にもなっている。世界的成功を手中にした後は、ナショナル・ジオ・グラフィックス社やハリウッド映画、F-1グランプリのポスターの仕事など、世界を股に掛けた活躍を続けている。