デジタル・リマスター盤比較
それでは最近購入した2つのデジタル・リマスター盤を比較しながら、デジリマ盤が本当によくなっているかどうか検証してゆきましょう。 1つは2001年にリリースされたクイーンの24bit Digital Remasters盤「クイーンII」、もう1つは2000年に発売されたジャーニーの22bit Digital Remaster「エスケイプ」、共に日本盤です。
QUEEN/QUEEN II
1994年Parlophone/EMI デジタル・リマスター盤 |
2001年東芝EMI 24ビット・デジタル・リマスター盤 |
クイーンの作品は過去に何度かリマスターされていますが、この「クイーンII」はオリジナルLPが1975年リリース。左は94年のデジタル・リマスターUK盤ジャケットで、右が2001年の最新24bitデジタル・リマスター日本盤です。このジャケットの差を見ただけでも、ものすごく良くなっている気にさせられます。おそらくLP時代のジャケットより写真が鮮明でしょう(現在LPは売ってしまって無いので記憶です)。当然この2つのジャケット写真は同じスキャナーを使って同じ条件でスキャンしています。その後加工処理するなどの手は一切加えていません。旧盤ではメンバーの写真が背景から浮き上がっていて、無理やり切り抜きした写真を上から貼ったような感じなっていましたが、最新盤では、人物が背景の中に自然に溶け込んでいるのがおわかりいただけると思います。細部を良く見比べるとさらに差が歴然と分かります(フレディの顔をクリックすると部分拡大写真が出ます)。ここでは残念ながら画面でしかお見せできませんが、実物はもっと鮮明で髪の毛や肌の質感までリアルで感動的ですらあります!
さて、問題の音の方ですが、ライナーやジャケット、帯などには24ビット・デジタル・リマスターと書いてある以外、これといった説明は記載されていません。EMIのリマスターということで、ビートルズのデジタル・リマスターのように、派手に手を加えているのではと、聞く前は少し心配していたのですが、そんなことはまったく心配ありませんでした。
比較に使用した機材は、自宅でいつも使っている1.KENWOODのハイコンポ「K's」の5002シリーズと2.PIONEERの古いAVアンプA-515VにSONYの1番安いCDプレイヤーCDP-S35をつないだセット、さらに3.SONYのCDウォークマンD-E888でも試してみました。尚、専門家ではないので、細かいことはわかりません。平凡な一般リスナーの意見としてとらえてください。
まず、1.のハイコンポでは、音量レベルの違いははっきりわかりますが、同じボリュームになるようにして聞くと、わずかに24bit盤の方がいいかな?という程度の差が感じられました。次に2のセットですが、ここでは明らかな違いが出ました。旧リマスター盤では音がこもったような感じですっきりしないですが、24bit盤はとてもクリアーな音で音量を下げても差がわかります。さらにウォークマンでは、もう旧リマスター盤は2度と聞きたくなくなるぐらい差が歴然としています。各楽器・各パートの音の分離もしっかりと付き、それでいて密度はなくなっていません。ただし、バックの音がクリアーになった分、フレディーのリード・ヴォーカルが若干弱く聞こえます。しかし、それもボリュームをあげれば解消され気になるほどではありません。
全体を通しての感想>こんなに丁寧な仕事ぶりには、今までに出逢ったことがありません。まったくすばらしいリマスターです!!古いCDをお持ちの方はすぐに買い換えることをお薦めします。
JOURNEY/ESCAPE
1993年Sony Record |
2000年SME 22bitデジタル・リマスター盤 |
再編成ジャーニーの来日200年に合わせてリリースされたこのデジリマ・シリーズ(オリジナルは1980年のLP)には、帯に「最新技術で作られた良い音のしるし、マスター・サウンド」というロゴマーク付きのクレジットが誇らしげに入っている。裏ジャケットにも、22BIT digital transfer using Sony's SBM Prosess 'SBM/Super Bit Mapping' is a trademark of Sony Corporation〜〜と英語でいろいろと表記してあります。
しかし、古いCDを引っ張り出し比べてみて愕然としました。ひどいお粗末さだ!上の全体写真ではわかりづらいが(実物ではすぐ判別できる)、イラストの輪郭にシャープさがなくなり、背景のグラデーションも非常にきたない(右)。おまけによく見ると右下の作者(Stanley Mouse)のサインもなくなっているではないか!!さらに拡大写真もご覧ください(右下部分をクリック)。背景のブルーから黒へと変わる境目が非常にきたない。なぜこんなことになっているかというと、その回答が裏ジャケにあります。次ページの写真をご覧ください。
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