お薦め名盤Vol.5(POP&JAZZY)

20/20(トゥエニイ・トゥエニイ)/ジョージ・ベンソン
20/20/GEORGE BENSON

1984年 32XD-818◆Warner Bros.

1.ノー・ワン・エモーション
 No One Emotion

2.フリーズ・ドント・ウォーク・アウェイ
 Please Don't Walk Away

3.僕の愛を君に
 I Just Wanna Hang Around You

4.変わらぬ想い
 Nothings' Gonna Change My Love For You

5.ラ・メール
 Beyond The Sea(La Mer)

6.20/20
 20/20

7.ニュー・デイ
 New Day

8.ホールド・ミー
 Hold Me

9.スタンド・アップ
 Stand Up

10.ラヴ・オブ・マイ・ライフ
 You Are The Love Of My Life


 ついにベンソンもオカマになったか(^_^;、いや、そういう話じゃありません・・・しかし、以前からのベンソンを知っているファン達には、このジャケットはちょっと気持ち悪かったのでは!?。たぶんヴォーカリストとしての自分をアピールしたかったのだろうが…。
 ジャズ界では既に屈指のギタリストとして知られていたベンソンは、クインシー・ジョーンズによってヴォーカリストとしての資質を見いだされ、例の大ヒット曲「ギヴ・ミーザ・ナイト」を放ったあと、前作「ユア・アイズ」で本格的なシンガーとしての道を歩みだした。
 そして、このアルバム。彼がすっかりシンガーとしても自信を付け、のりにのっている時ということもあり、伸びやかで声量のある歌声は最高潮に達している。しかも、バックをサポートする面々がもの凄い!主なところを載せておくと・・・

マイケル・センベロ(g)、ポール・ジャクソン(g)、フレディ・グリーン(g)、マーカス・ミラー(b)、アンソニー・ジャクソン(b)、ネイザン・イースト(b)、デイヴ・グルーシン(kb)、リチャード・ティー(kb)、ジョー・サンプル(kb)、ジョン・ロビンソン(ds)、ポウリーニョ・ダ・コスタ(perc)、ロバータ・フラック(vo)、パティ・オースティン(vo)、ジェイムス・テイラー(vo)、ジェリー・ヘイ(horns)、スティーヴ・ルカサー(曲)・・・
ちなみにプロデュースはホイットニ・ヒューストンのアルバムでもお馴染みのマイケル・マッサーとマイケル・センベロ。
 これだけの一流ミュージシャンを集められるのも、彼の人柄とジャズ界ではすでに大物ギタリストとしての地位を築いてきたからに他ならない。
 曲を見ていくと、まず全体的にファンキーな曲が多く、80年代中期の“なんでもファンキー・ビート”傾向が強いものの、もともとがジャズ・プレイヤーなため、うまくフュージョンっぽくまとまっている。
その中で4曲目の「変わらぬ想い」はバラード曲で、ベンソンが唄う数あるバラードの中でも一番の出来ではないかとも思われるほどの名曲だ。残念ながらシングル・カットはしていないが、後に他のシンガー(誰だかは忘れたが)が唄って大ヒットしている。余談だが、ホイットニー・ヒューストンが唄って大ヒットした「The Greatest Love Of All」も元はベンソンが唄っていた曲だ。
 9曲目の「Stand Up」は唯一のインストゥルメンタル曲で、ここではお得意のギターとそれに合わせたスキャットを聞かせてくれる。
 この技、なかなか難しいもので、ベンソンの場合ライブ演奏中にアドリブでもこれをやってしまうのだからすごい!よほど、ギターの音階を熟知していないとできない。

 最近ではまたギタリストに戻り、地道に活動をしているベンソンだが、このアルバムで聞かせてくれた名曲の数々は、今聞いても少しも色褪せることなく、本物の輝きを放っている。永遠の愛聴盤として、これからもずっと聞き継がれることだろう。